無反応でいいよ
この仕事を始めてからずっと、子どもたちに自分から「わーっ」と近づかない先生でした。
子どもたちにとって、いちばん望んでいることは、自分の親との楽しい時間であって、わたしには何の関心もなくていい、といつも思っています。
そーっと邪魔しないように、パパママに向けられた笑顔を横から見させてもらうだけで十分です。
わたしのやっていることは「give」でしかなくて、それも、決められた曜日の決められた時間に、子どもたちが欲しいと思ってるとは限らない、と思っています。
0才・1才・2才のおさんぽリトミックは40分を7回で1クールです。その40分×7をぜーんぶ、1分残らず、何かを得る、と考えないでください。それをお金に換算しないでください。音楽や教育は、1分あたりいくら、と換算することはできません。
1クールどころか、2年も3年も通って、ずーっと無反応で、大きくなったときにとても音楽が好きで音楽性が豊かな子はいくらでもいます。
1回1回のことに、無反応でもいいんですよ。
わたしがたまーに話しかけたり微笑みかけたりしたとき、お子さんが無視するのは当たり前です。反応が無くてもいいんです。
たくさんの大人に笑顔をふりまき、愛想の良い子は可愛く見えるかもしれないけど、わたしは、自分のために愛想良くしてほしいなんて思っていません。
おとなしい子はおとなしいまま、無反応の子は無反応のまま、そのままにしておいて、自ら何か心を動かす瞬間をただひたすら待ちます。
子どもは大人のために生きているのではありません。自分自身のために生きています。すごく可愛い時代だから、そっと楽しませていただいているけど、大人のために楽しませなくてはいけないってことはありません。
何か子どもに与えたとき、「楽しそうかどうか」ですぐに判断するのではなく、親の目で「これが良い」と選んだなら、長い目でじーっと観察してください。
無反応だったり人見知りだったりする子でも、申し訳ないと思う必要はないですよ、子どもに関わる職業のわたしたち、無反応でも十分、「可愛い・・・」と楽しませていただいているから。
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