9月は子どもたちが変です
9月半ば。
子どもたちが変です。「リトミック行きたくない。」と言う子が増えます。
ひとりひとりの理由はそれぞれです。そう言う子がいるのは自然なことですが、問題は、他の時期に比べて、数が増えるということです。
わたしは、いつも、「子どもの言葉をそのままに受け取らない」ということを思っています。
子どもは、自分の知っている範囲でしか言葉が使えません。
それに、たとえば、「何となく幼稚園の集団生活に違和感を感じており、加えて、気圧の変化から軽い頭痛があるために、気持ちがネガティブになっている。ただ、外では我慢しているので、そのうっぷんをどうしても妹にぶつけてしまい、ケンカが増えている。季節の変化や体調の変化に伴って、良くなっていくと思う。」と説明できる幼児がいたら、お会いしてみたいものです。
子どもは、どうにも説明のつかない自分の状態を、一番かんたんに伝えられる言葉を使って「助けて!」と言います。
もしかすると、それが「リトミック行きたくない。」かもしれない。
言葉の奥にある、本当に伝えたいことに心を傾けることが大切だと思います。
なんとなくモヤモヤして、気候や体調、環境の変化を待つしかない場合、ストレスになっていることを解決するよりも、親がただ「分かってあげて受け止める」だけで良い場合もとても多いです。
いずれ自立することを考えると、「親がストレスをどけてあげる」のではなく、「処理の仕方を教える」方が役立ちます。
それから、ハイテンションでおしゃべりする子が増えます。
それだけ見ると、「慣れたのかな?」「嬉しいな。」っていうことなんですが、これも、数が多いということと、「普段はそんなに自分のことを話さない子が急に話し出す」ことが、「あれ?」と思います。
体の接触が増える子もいます。
自然におひざにもぐりこんできたり、手をつないできたり、抱きついてきたり。
これも、数が増えます。
いろんなことがあるのだろうなと思います。
もうすっかり成長した、自分の息子たちも「おかしいな。」と感じる、いつもと違う行動を取っています。
こういうとき、生徒には「先生は変化も受け止めるよ。変化することは自然で、それであなたを好きという気持ちが変わることはないから安心して、変化に身を委ねてて。」というメッセージを送るようにしています。
わが子には、「自分の限界を知り、限界を超えたらおかーちゃんは味方だから、安心してストレスにぶつかりなさい。」というメッセージを送ります。
共通して、ベースには「あなた自身が何とか乗り越えるだろうと信じているよ。わたしは変わらないから大丈夫。」と思っています。
具体的には、相手が「こうして欲しい」と思っていることをやってあげたり、言ってあげたりします。
小さなことです。
抱っこしてあげるとか、頬に触れるとか、ただ一緒に過ごしてあげるとか、長くおしゃべりしても不自然でない状況を作ってあげるとか。
本人すら気づいていないかもしれない「こうして欲しい」をどうやってキャッチするかは、日々の観察でしかないように思います。
息子の場合は、「口で言っている理由」については「そうか、そうか。」と聞くだけで、全然取り合いません。
外部へは何も行動を起こさず、全部、家の中で収めてやります。
すると、体調や心の準備が整ったら自分で乗り越えるからです。
行動を起こしちゃうと、もう、そっちの流れに乗ってつじつまを合わせないといけなくなります。
大人だって、弱ってるから、ついつい弱音を吐いてしまって、本当はそこまでするつもりじゃなかった・・・、ということがあります。
9月。
子どもが変です。
「なんとか変じゃなくする」のではなく、「変になることもあるのは自然なことと受け止める」ことで、子どもは安心して大人になっていけるように思います。
2022年、コロナ禍に入ってから3年目の9月です。
子どもも変ですが、大人も変です。ぶつけてはいけない相手にぶつかってしまったり、噛みついてしまったり、不安定なのだから動かない方がいいのに、大きな決断をしてしまったり。
数ヶ月後、数年後に、ドタバタと動いてしまったことを後悔しないように、「不安定であることを受け止め、じっとする」という身の守り方を知っておくと良いかもしれません。
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