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子育ての「当たり前」と「てきとう」

坪井佳織

子育てをするときに、ぜひ、見失わないでほしい考え方があります。
それは、「当たり前」と「てきとう」です。

当たり前

子どもは、生まれながらにそれぞれ違います。体格も性格も、育つ環境も。その中で「自分なりの生き方」を見つけることが、生まれてきた意義であり、楽しみだと思います。

一般に、体が大きくてよく動く子はよく食べます。小柄で細身の子は食も細いことが多いです。

「子どもが食べない」と悩むとき、この「当たり前」の前提がすっかり頭から抜けていないか、ぜひ考えてみてください。

「お母さんはどうでしたか?」と聞くと、「わたしも食が細くて、親が悩んだと聞いています」とおっしゃいます。それでどうして「それなのにうちの子は食べない」って悩むのでしょう。

小柄で、お母さんも食べない子だった。この子も食べなくて当たり前。栄養の偏りによる病気がないのであれば、心配することではないと思います。

引っ込み思案でおとなしく、お友だちを作るのが苦手な子が、幼稚園や小学校へ行くのは、元々、陽気でおおらかな性格の子とは「大変さ」が違うでしょう。

だとしたら、「とりあえず、行っていることが奇跡」くらいに考えてあげても良いと思います。

生まれつきバランス感覚があまり良くなく、運動、とりわけボール運動がとっても苦手な子が、体育の成績は悪くても、最低限、体を動かしているだけでも健康にとっては0よりずいぶん効果があります。「よくやったね」と言ってあげていれば、それなりに楽しく参加できるかもしれません。

「当たり前」の中には、親の性格も絡みます。

かつて、2才児クラスに通う子のお母さんが、涙を浮かべながら、「うちの子、なかなか先生にも慣れないし、積極的に参加もしないし、話しかけもしない。引っ込み思案で、このままで大丈夫かなって心配で・・・」って相談されたことがありました。

このクラスに参加してから、半年が経っていました(!)。わたしは、毎回、「このお母さん、すごくわたしに話したそうな雰囲気だけど、全然話してくれないから、気のせいかな?どうしてうちの教室に通ってるのかな?」って思ってました。だって、終わって、気さくに話しかけてくれるお母さんたちの間をスーッと通って黙って帰っちゃうから。

今では笑い話です。この子も、すっかりと慣れて、動くし歌うし、なんでも楽しそうに参加します。

親子揃って、そんな風に生きてるんだから、いいんですよ、それで。

心に何もなかったんじゃなくて、「半年」という時間が必要だったということですよね、お母さんがわたしに「えいやっ」と話しかけるまでに。だとすると、子どもだってそうであっても全然不思議じゃありません。

また、一方で、ちょろちょろと落ち着きがなく、全くじっと話を聞くことができない2才さんのことを、お母さんが悲痛な顔で「うちの子、大丈夫でしょうか」って相談されるので、「お父さん、お母さんはどうだったか、聞いたことがありますか?」と聞くと、「夫が全くこの子と同じだったって聞きました」。

はい、もう答えは出ていますよね。

「ちょろちょろさせない」と考えるのではなく、もっと長く広い視点で、「この子が大人になっていくときに、どこを活かし、どこを工夫するか」を考えたらいいんです。

2才で引っ込み思案でも、落ち着きがなくても全く問題はありませんが、仕事を始めたときに「引っ込み思案なのでできません」では訊かないことがあるでしょうし、会議中に落ち着きなく立ち歩いていたらクビになるかもしれません。

ですが、そんなことはまずありません。それよりも、引っ込み思案を活かして、「人の心に寄り添う職業」が得意かもしれませんし、落ち着きのなさは「瞬発力の高さ」につながる可能性があります。

まず、生まれた時からの性質や体質を思い起こし、血縁の大人、育てている環境などを鑑み、「当たり前」のことを悩まないということを心がけてください。

前述した子が、「ほんの少量しか食べないけれども好き嫌いはないんです。それに、食に興味があって、野菜の名前をよく聞いてきます」だとしたら、本当に素晴らしいことです。

てきとう

2才を超えたあたりから、「外部から何かを与えられて、それをこなす」という経験が少しずつ増えていきます。

小学校に入ったら、激増します。
そのとき、ぜひ「てきとうでいい」ということを覚えていて欲しいのです。子どもたちにも、「てきとうでいいんだ」ということを伝えてください。

与えられたことを全てきっちりとこなした先に、幸せが待っているということはありません。なぜなら、「与えられたもの」は所詮、他人が設定したものだからです。

本当の幸せは、「自分が設定した課題なり夢なりに向かう」ことでしか手に入れることはできません。

小学校、中学校で「与えられたものをきちんとこなしてから、好きなことをやる」という生活を送っていると、「自分」を見失うことがあります。それでは忙しすぎるんです。

かといって、全くやらないという人生を送る強者もさほど多くはありません。

すると、残るは「てきとうにこなす」という方法です。

おさんぽリトミックでも、どうか、「てきとう」に参加してください。
何か分からないことがあったら、周りを見て、てきとうに合わせてみる。そのうち、「なるほど〜」って分かってくることもあります。

どうしても、何から何までちゃんと分かってからじゃないと動けないお母さんがけっこう多いと感じます。「てきとう」にやってみて、何とかなったなら、それでOKです。

これから子育てをしていく中で、「ちゃんとやることを教えねば!」と意気込むことはあると思うんですが、「てきとうにやることを教えよう」なんて普通は思わないですよね。

でも、生きていく上では「てきとうにこなす」って、すごく大事です。もしかしたら、社会人になったら、「ちゃんとやる」よりも身を助けるかもしれません。


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