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【書籍紹介】英語のできる子どもを育てる

『英語のできる子どもを育てる』坪谷郁子/講談社現代新書

その学校も、(中略)いわゆる巷でいう英会話と呼ばれるものを教えていました。子どもたちの記憶力はすばらしいので、何度か繰り返し教えればすぐに Hello.How are you? I'm fine, thank you. My name is Akiko. I am 9 years old. I like rice and miso soup. と覚えていきました。親御さんたちは、子どもが歌を覚えるたびに、フレーズを覚えるたびに喜んでおりました。

ある日のことです。あきこちゃんが学校に来ました。咳をゴホゴホしています。わたしはいつものように何気なく How are you? と聞きました。そうするとあきこちゃんは熱がありそうな真っ赤な顔をしながら I'm fine, thank you. と答えたのです。

あんまりかわいそうで、笑うに笑えない・・・。
このことで、結局は文例を暗記させる英語学習は使えないってことに著者は気付いたそうだ。
わたしだったら、熱がありそうでごぼごぼと咳をしている子が教室に入ってきたら、「どうしたの!?」って言うけど・・・、何気なく「How are you?」って・・・。
英語の学習法が間違っていたとか以前に、何か釈然としないものを感じる、このいきさつ。

それで、結局、解決策は何かってことだけど、I'm fine. のほかに I'm tired. I'm sad. I'm upset. などを加えた、とのこと・・・。

わたしは、こういうところが教育のずれたところではないかと感じてしまいます。

この本を読むと「英語が話せる子どもに育つ」という内容ではないので、英語教育をどう考えるか、という材料として図書館で借りたり、古本を購入したりして読まれるといいと思います。

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