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1.21ジゴワット

金曜ロードショーで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』がやっていてTwitterなどではみな実況して楽しんでいた。ぼくはテレビを持ってないので参加はしなかったが、漫画家の山田玲司さんの配信番組『ヤンサン』で先週、このBTTFについてめっちゃ熱い解説をしていて、見返したくなって何年ぶりかわからないぶりにサブスクで見返した。

子供の時、それこそ本当に腐るほど見てた。しかし、41のこの歳になっても最高におもろい!

あと「パワー・オブ・ラヴ」がこんなに随所に流れていたのを子供の時は気が付かなかった。ググったら、BTTFのために作られた曲とわかって、そりゃ主題歌だもん、めっちゃ流れるよなと。子供の頃、なんといっても印象に残っていた音楽シーンはパーティーでのマーティの演奏シーンだったから。あのギターの弾き語りシーンはやりすぎなところも含めて本当にカッコ良かった。

「パワー・オブ・ラヴ」も好きで本当は家で聴きたかったけど、当時は子供過ぎでこの曲がなんて名前の曲かわからなかったんだよね。今みたいにスマホで一発で検索できる時代じゃなかったし、大人に聞くことができないくらい引っ込み思案だったからね。だからレンタルできなくて悔しい思いをした記憶がある。

サントラはもちろん3作ともレンタルしたけど、インストだけで「パワー・オブ・ラヴ」は入ってなかったんじゃないかな。

政治的メッセージや個人の主義主張をトコトン排して、エンタメに全振りして緻密に計算されて作られているから、大人になってから見ると本当にすごい映画だとわかる。無駄なシーンがひとつもない。金ローではCMでカットされまくりで、そういうのわかってる人たちがTwitterで吠えてたな。いや、わかるよわかる!カットできるシーンなんてないんだもん笑

一時も目を離せない伏線だらけだし、何かをしようとすると必ず何かに不具合が出たりする。てかデロリアンエンストし過ぎだろ笑

ハラハラとワクワクが何度もあって、何歳のひとでも楽しめるエンタメの最高峰だと感じた。消えてしまいたいと思っていた小学生の頃のぼくでも夢中になるわけだ。

ぼくが消えてしまいたいと思っていたのは、家族の食事の時、食器と箸のカチャカチャ音とテレビの音以外は会話がなかった。あと、当時父親の仕事が上手くいってなくてなぜかぼくに当られた。父と話すのは嫌なことでしかなかった。褒められたことも特にない。家に居場所がなかったんだ。また中学になってからは、小学6年の時の頭蓋骨骨折で運動神経が完全に駄目になってしまい、中学で運動神経ゼロの男子に存在価値はなかった。これはこちらの記事で詳しく書いた。

そんなぼくでもこの作品にワクワクと乗れたのは、マーティの底抜けな明るさ、そして「あの時に戻ればやり直せる!」と思える普遍的なテーマだ。ぼくだって頭蓋骨骨折さえしなければ…。そんな気持ちでいっぱいだった。

さらに自分の問題を解決する為には、前の世代、つまり親の問題を解決しないと自分の問題が解決しない。これを教えてくれた映画でもあるからだった。毒親問題を扱っていたんだなと、今回改めて見て思ったよ。子供の時はそこまで意識してなかったけど、もし両親の育て方が違えばもっと違う人生だったんだろうというのは思っていたんじゃないかな。

マーティはあの底辺家族の中においても、ビフに立ち向かう勇気を持っていてヒーローでもあった。あとドクとマーティの年の離れた友情は熱くて泣けた。

若い父のジョージをしっかりさせる事で、現代に戻ってきたマーティの家はすっかり自信に満ち、妻を愛する父親に変わっていた。ぼくにとっては夢のある映画だったんだ。

しかし、勇気を持ち立ち向かうことを教えてくれたが、現実の運動神経ゼロのぼくには強い相手には何も言えず、いじめも看過した。最低だと思った。でも、今の自分にはなんの力もないしいじめの対象になってしまう。だったら……。

リスタートは別にタイムマシンじゃなくてもできる!高校を私立の進学校に進み、中学までの生徒たちとほぼおさらばして、眼鏡もコンタクトにして、強い性格を演じて強い友達と仲良くなっていった。運動オンチなのは変わらないけど、ピエロに徹してみんなを笑わせるようにした。

実際、高校の時は弱い立場の子を助けたり、転校してしまう子を学校サボって羽田空港まで見送りして、先生から怒鳴られたこともあった。でも、転校していく子が泣いて喜んでくれた事は覚えている。

「成せばなる!」

そう言った人生で大切なことを、こんな面白いエンタメで描いてくれたゼメキスには感謝。

やっぱり、映画やアニメといったエンタメはぼくの人生にとって本当に大切なものだ。

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