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2021年ライオンズベストゲーム

2021年のライオンズは42年ぶりの最下位に沈んでしまいました。
栗山巧、平良海馬など個人記録の話題は多かったものの、チームとしては終始噛み合わなかった印象。
シーズンの総括はまた改めてやる予定ですが、今回は毎年恒例のベストゲーム選手権です。「最下位なのにベストも何もあるか!」という気持ちもありますが、やらなきゃやらないで気持ち悪いのでお付き合いください。

2018年

2019年

2020年

ノミネートの31試合の中から最大3試合を選んでもらう形式としました。
Googleフォームから1人1票の形式で193人の方から回答いただきました。ありがとうございました。
(例年よりノミネートが多くなりましたが、同じようなロースコアの試合が多くて絞り込めなかった…)
また条件を「ライオンズが勝った試合」にしているため、9月4日の栗山さん2000安打達成試合は含まれていません。「ベストシーン投票」なら投票せずとも決まりなんですけどね…。


第5位

37票 得票率19.2%
5/5 6-2B 難敵・山本から10安打を放ち打ち崩す。今井8回途中2失点で登板過多のブルペンを救う

4月を5割で終えたものの、守護神・増田達至の不調などリリーフに不安を抱えていたライオンズ。
前日4日には先発・上間永遠が4回で降板すると、R.ギャレットが打球を受けて降板するなど8投手をリリーフにつぎ込んで何とか引き分けに持ち込む苦しい展開。
5日は4月まで防御率1.39と好調の山本由伸を相手に同級生の今井達也がどこまで粘れるかという構図。山本には開幕戦では勝利したものの、4月21日の今井とのマッチアップでは8回2失点と封じ込まれていた。

増田は前日に抹消、ギャレットはベンチ外、森脇亮介・宮川哲は連投中のため頼れるリリーフは平良海馬のみ。
投手運用に頭を悩ませる西口コーチから「頼む、完投してくれ」と告げられた今井は初回を山田のファインプレーもあり切り抜ける。
その後も変化球多めの配球で5回まで無四球のピッチング。打線も栗山巧と中村剛也のタイムリー3本で5回まで3点を奪い試合を優位に進める。
球数が嵩んだ8回こそ3四球と暴投で1点を失うが、1死2・3塁で杉本裕太郎を三振に取り平良へバトンタッチ。
平良がS.モヤをあっさり三振に打ち取ると、そのまま9回も抑え4アウトセーブで試合を締めた。
今井は7.2回124球5奪三振2失点の好投で山本にリベンジ。
リリーフ陣の登板過多がある中で「これしかない」という展開に持ち込めた試合だった。

第3位タイ

40票 得票率20.7%
6/5 6-3S 9回に中村同点ソロ、山川勝ち越し2ラン、呉ダメ押しソロの3アーチで逆転勝ち

交流戦に入ってコロナ感染で源田壮亮らが離脱、1番に定着していた若林楽人は大怪我でシーズン絶望となかなか戦力が整わないライオンズ。
前日は高橋光成が雨の中でKOされ借金4で5日の試合を迎えた。

小川泰弘から初回に1点を先制するものの、今井が1死も取れずに3安打1四球で逆転される嫌な展開。慣れない神宮のマウンドに苦しむ今井に中村が駆け寄りアドバイスを与えるとその後は立ち直る。
6回村上宗隆に低めのチェンジアップをソロHRにされたものの、7回7奪三振3失点と試合を作る。
7回に山川穂高が小川からソロHRを放ち1点差とし、9回S.マクガフが登板したところからドラマが始まった。
先頭の中村が初球のストレートをレフトスタンドに運ぶ同点アーチ。交流戦79本目と自身の持つ記録を更新する一発でチームは息を吹き返した。
栗山が通算1960本目のヒットで続くと、山川がこの日2本目となるアーチを架けあっという間に逆転。
それだけに留まらず続く呉念庭が初球を逆方向に運びこの回3本目のHRでリードを3点に広げた。
9回裏は平良が一発出れば同点のピンチを招くが、山田哲人を三振に取り試合終了。平良も開幕からの連続試合無失点を29として、自身の持つパリーグ記録を更新した。

第3位タイ

40票 得票率20.7%
9/24 5-4M 今井大荒れで先行されるが中盤に逆転。2番手田村が涙のプロ初勝利

100試合以上を消化して借金10前後を行き来していた9月。
マリーンズ3連戦の初戦は今井と二木康太の両先発でスタート。
この日の今井は制球が全くできておらず、初回に3四球で2点を先制されると、2回にもまた3四球で3点目を失う。
ただ1・2回とも満塁のピンチを切り抜けたことで、マリーンズ側は「決めきれなかった」、ライオンズ側は「まだ致命傷には至っていない」という雰囲気が漂っていた。
その空気に乗ってか3回に岸潤一郎が2ランを放ち1点差に迫る。
反撃ムードの高まりを受けて4回から田村伊知郎が登板。8月28日に昇格後は点差が付いた場面が中心ながら4試合8イニングを1失点と好調をキープしていた。
しかし田村はあっさり2死を奪うものの、安田尚憲にバックスクリーンへ叩き込まれ点差を2点に戻されてしまう。
「ああまたか…」もどかしい試合展開が続いていた時期だけに、このまま流れを引き戻せずに敗れることを想像してしまった。
しかしこの日のライオンズは違った。4回裏先頭の中村が通算438本目のHRで1点差と迫ると、満塁から源田のタイムリーで同点に追いつく。
5回も続投した田村はランナー1人を出すものの無失点に抑えると、その裏相手のミスに乗じて勝ち越し。田村にプロ初勝利の権利が発生した。
その後水上由伸、増田、森脇、平良が虎の子の1点を守り切り勝利。
5年目、通算66登板目の田村が嬉しいプロ初勝利を挙げ、お立ち台では涙を見せた。

この試合で田村は1イニング目に失点してしまったが、それでも2イニング目のマウンドに送り出されたのは田村がそれまで好調をキープしてきたからだろう。
もちろんビハインドの浅い回で投手をたくさん使いたくなかったという戦略上の理由はあるだろうが、それまでの好調が評価され2イニング目を勝ち取ったことが初勝利に繋がったのだ。

第2位

45票 得票率23.3%
10/8 6-2H 8回山田がしてやったりのバスターで勝ち越し

今井と石川柊太が先発したこの試合。
森・栗山のタイムリーで2点をリードして終盤を迎える。
6回まで3安打とホークス打線を封じていた今井だったが、7回先頭の牧原大成にソロアーチを浴びて点差は1点に。117球を投じていたため、8回から継投策に入る。
後を受けたのは増田だったが1死から中村晃に被弾し同点に追い付かれる。
好投した今井の8勝目が消え、嫌な雰囲気が立ち込めるがその裏にドラマが待っていた。
代わった古谷優人から先頭の栗山が四球で出塁すると、「ピンチバンター」の岡田雅利がバントを2球にファールにしてしまうものの3球目が死球となりチャンスが拡大。
ここで6回から山川の代走として出場していた山田遥楓。「今度こそ送りバント」と誰もが思うシチュエーション。初球はバントを試みてファール。ホークス内野陣も思い切ったバントシフトを敷いてきて、ファースト中村晃はホームベースのすぐ前までダッシュをしてきた。
2球目。実は山田は打席に向かう際に辻監督から「相手の内野手が前にチャージしてくる可能性がある。それがあったらすぐにバスターに切り替えてくれ」と告げられていた。ストレートを思い切り叩くと、打球はバントシフトでがら空きの内野を抜けていく、勝ち越しタイムリー2-ベースとなった。
試合の流れを大きく引き寄せる一打に球場は大盛り上がり。山田も二塁ベース上で拳を突き上げた。

第1位

61票 得票率31.6%
9/11 7-0B 今井142球13奪三振の熱投で2年ぶり完封。スパンジー2ランなど打線も機能

とにかくバファローズに相性が悪かった今シーズン。
特に山本由伸・宮城大弥とほぼ毎カード対戦することとなり、打線は何をやっても攻略できない状況が続いた。前日10日も山本の前に6回2安打無得点に封じられ、1-7で大敗。
この日は2週連続でKOされていた今井が先発。悪い流れを断つためにズボンの着こなしとグラブを変えて臨んだ効果か、いつもと違いスムーズに立ち上がりを三者凡退に抑える。
初対戦のC.バルガスを前に3回までは無得点だったが、打線が4回に目を覚ます。山川の2ベースで1点を先制すると、スパンジェンバーグがライトスタンドに叩き込み3点を先制。
5回までノーヒットに抑えていた今井にはこの3点で十分だったが、5回には中村・外崎・栗山の3連続タイムリーでリードを7点に広げ試合を決定付ける。
7回に杉本に初安打を許したものの、今井はその後も三振でアウトを積み重ねていく。
8回まで119球を投じていたが9回もマウンドに上がると、満塁のピンチを迎えたが最後はA.ジョーンズを内野ゴロに抑え試合終了。
今井は142球13奪三振の力投で2年ぶりの完封勝利。ペース配分を考えず、思い切り飛ばしたことが最高の結果に繋がった。
また4日に栗山が仙台で2000安打を達成してから初めての週末ホームゲームで、お祝いムードに花を添えることとなった。

ということでロースコアの接戦が多かった中で、投打噛み合った快勝の9月11日が1位となりました。
そしてどういうわけか上位5試合が全て今井が先発した試合となりました。
劇的な試合が見たい方は今井の登板試合を狙ってみては…。

MVP投票

オマケと言っては悪いですがチームMVP投票も併せて行いました。

平良海馬 74票 得票率38.3%
栗山巧 26票 得票率13.5%
森友哉 26票 得票率13.5%
呉念庭 21票 得票率10.9%
中村剛也 15票 得票率7.8%

まあこちらも予想通りでしょうか。
「平良に繋げば負けはない」。接戦が多かった中でこれほど頼りになるものはありませんでした。
来年はどこで投げることになるか分かりませんが、いずれにしろ圧倒的な投球を期待しています。

来年はベストゲームもMVPも誰を選んでいいか分からないくらい悩めますように!!!



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