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外国人 街に溢れて 秋を知る

京の払暁

 妻の両親の墓参のため京都に来ている。毎年、墓参を済ませた後に京都観光を楽しんでおり、今やどちらが目的か分からなくなっている。今秋の京都は観光客が多くコロナ前に戻ったような賑わいで、昨秋とは様変わりである。

 東京から新幹線に乗った時点で外国人旅行客の多さが目を引いたが、京都は街中が外国人で溢れてるように見える。旅行客の入国制限の緩和に、円安の急進んが相まって、日本に興味を持つ外国人が、一斉に押し寄せているのではと思わせる光景だ。昨秋のような落ち着いた雰囲気の京都の方が良かったとの思いも浮かぶが、観光を生業とする人々は外国人観光客が戻ってきてホッとしていると思えば、少々の喧騒は我慢するしかないだろう。

 今日は、大原の三千院に行こうと京都駅前からバスに乗った。バスは出発の時点で既に満員だったが、途中の停留所でインターナショナル・スクールの生徒と教師らしき10数名の一団が乗ってきて鮨詰状態になった。6歳から10歳くらいの生徒達が、大人たちの間に挟まれて立っていて、どうなることかと思っていると、生徒の1人が席に座っている老婦人と日本語で話し始めた。聞こえてきた話の内容から、子供達は大原でバーベキューをするらしいことが分かった。

 子供達は約1時間立ちっぱなしになるなと心配をしていたら、1人のご婦人が小さな男の子に「ここに座らない」と声を掛けた。声を掛けられた子は「先生に立っていなさいと言われたから座らないと」キッパリと断った。
 大原まで残り20分くらいの停留所で2つの席が空いた。席の直ぐそばにいた小さな男の子がすかさず座ろうとしたした所、教師がそれを制して少し離れて立っていた年長の女の子2人を座らせた。外国人教師の指示の厳格さ、それに従う子供たちの従順さに驚かされた。

 外国人旅行客が思いの外増えていることに驚き、インターナショナル・スクールの厳しい師弟関係に驚く。外国人にまつわる驚き2題が加わり、今回の墓参&観光も印象に残るものになりそうだ。

                               (2022.10.29)

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