見出し画像

秘めたりし 不屈の魂 誰ぞ知る

 ロシアがウクライナに侵攻した。時計の針を100年巻き戻したような事態に愕然とする。圧倒的な軍事力を擁して隣国に攻め入り、破壊と殺戮を行う。プーチンと言えども、まさかそんなことはしないだろうと思っていたが、そのまさかが現実のものとなった。

 進撃する戦車群、飛来するミサイルの航跡、夜空を赤く染める炎、瓦礫の山と化した市街地、国外に逃れる夥しい人々などの映像がテレビから流れてくる。こんなことが昨日まで平穏な日常を送っていた人たちの身に突然降りかかってきているのだ。眼前に次々と展開する信じ難い映像は、戦後の平和な日本に育った者とにとって余りにも重く、受け止めることができず、ただ困惑するばかりだ。

 なすすべもなく、メディアを通じてことの推移を見ていた者は、次に圧倒的な軍事力で迫るロシア軍と果敢に抗戦するウクライナ人の姿に驚かされる。戦闘の場面は流石に映し出されないが、ウクライナがロシア軍に激しく抵抗していることは各種のメデイアの報道から分かる。何としても国を守ろうとするウクラナ人の不屈の闘志とゼレンスキー大統領が西側諸国のメディアの前で民主主義を守るのだと訴え掛ける姿から、自分の国を守る気概と民主主義を守る気概がヒシヒシと伝わってくる。

 多くの国がロシアを非難し、経済制裁を加えているが、プーチンは更に苛烈な攻撃を行う姿勢を見せている。プーチンが思いとどまらない限り、ウクライナがロシアに蹂躙され属国になってしまう可能性が高い。そうなったら、ウクライナの人々は塗炭の苦しみを味うことになってしまう。加えて、世界の軍事的な緊張が高まり、経済活動へも大きな影響が出て多くの国の人々が苦しむことになる。

 既に、西側諸国が加えたロシアへの制裁措置は、エネルギー価格を始め諸物価の高騰として跳ね返ってきている。この状況を憂うるしか能のない老人がウクライナの人々を応援の方法としては、申し訳ないが物価高騰に文句を言わず我慢することくらいしか思いつかない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?