箱庭住み
四角い箱庭に
赤い屋根のおうち
プラスチックの黒猫
陶器のオウム
フェルトの妖精たち
寂しくないように配置して
わたしはひとり暮らしている
むかしはもっと広いところに
住んでいた気がするが
記憶が遠すぎてわからない
カウンセラー役のきみがやってきて
わたしの心を分析する
さびしくて
こわくて
かなしくて
おこっていて
だけどたのしく暮らしていますね
箱庭の中に小さな海をつくって
いつでもきみの島にいけるようにした
闘病の日々は長く
頓服薬は甘く
きみの島にはなかなかたどり着かない
陶器のオウムが
菫味のチョコレートを1粒
運んでくる
今日も勇気を出して
箱庭のなかで
「生活」をプレイする
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