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創造

砂に長い木の棒で輪を描く
中に星を描きこんで
記号をいくつか
そして呪文を唱える
きみが生まれる
生まれたばかりのきみは
ごじゃごじゃと意味の通らない言葉を吐く
わたしのエゴで生まれてしまったきみ
生贄の山羊
供物の葡萄、無花果、酒

きみが生まれたからわたしはもう孤独ではない
孤独になる権利を棄てた
きみをおぶって山を降りる
怪物にどよめく民衆

いつか慣れる
わたしもきみも
慣れることだけが止まぬ暴力への抵抗?
そんな馬鹿な

わたしの元恋人である隣人をバリバリと喰らうきみ
笑いが込み上げてくる
食べろ食べろ
もっともっとおおきくなれよ
肥大した怒りと絶望がわたしときみを繋ぐ臍帯
父を食べる母を食べる子を食べるおおきくなるおおきくなる

わたしはきみをあいしている

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