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読書感想 政策起業家/著・駒崎弘樹

きっかけは著者の妻が地方議員

奥様は東京都北区の区議をやられていて、先日の区長選にも出られていた。(惜しくも2位だった!)
ミーハーで恐縮なのだけれど、区長選についてTwitterで雰囲気探っていたら出馬していた奥様と同じくらい夫の駒崎さんも出てくるので、今回どんな人となりを知りたく読んでみたわけです。

ここ10年くらいの駒崎さんの活動と信念が伝わる

全体的に良かった。
旧態依然の謎ルールを丁寧にクリアしていく姿勢に共感する。公共ルールは数年単位でアップデートされていくべきだと思うので、当事者の立場となって何が根本的に問題で、どうやったらクリアになるかを実践された経験談がいくつか紹介されている。「おうち保育園」「障害児保育園ヘレン」「都バスの双子ベビーカー」など。この辺はとても身近に感じたし、都バスの件は改善されたことをニュースとSNSで知ったのを思い出し、(駒崎さんが先頭に立たれたわけではないが)なるほどと感心しました。

文章もかなり読みやすい。1日で読める分量。「エトセトラエトセトラ」「んーーーーーーー!」などと書いているところが個人的にツボでした。年齢も私と近いのためかもしかしたら今まで読んできた文章で近いものがあったかもしれない。かぎかっこを使ってセリフで展開するのは80年代以降に小学生をしていた人に傾向があると思う。(個人の感想です)

巻末付録も面白い

本書のメインタイトルになっている「政策起業家」の著名人と書籍のリスト。こういうのは個人的には助かる。大好きなミュージシャンがいてその人が影響受けたミュージシャンやレコードを探りにいく感覚に近く、読み終えてからすぐに調べられるのはよいです。こういうのは許されるのはつけてほしい。

あと中身に関係ないけど紙質がよい。ちくま新書さすがっす。

政策起業家についての率直な感想

社会起業家でよくない?と思った。
いやいや、肩書が重要なんですよ!っていう方たちもいるので一概に言えないし、マイナーな時に名乗っておけば先駆者として検索上位になるしなーとレベルの低いことを考えながら読んでました。すみません、浅知恵です。

誰にでも社会起業家になれると書かれているが、高いレベルの教養と良き仲間が近くにいないとかなり厳しいよなと思う。そんなことを言っては身も蓋もないけれど不満があったらツイッターにある程度悪意を盛って投稿するくらいが多くの市民なんじゃないのかなと思う。
 ↓
だから本書に出てくる「保育園落ちた日本死ね」のように誰かがキャッチアップしてくれるなり、タイミングなり、ツイートだけはしてみようっていうアクションはアリだなと思う。
「保育園落ちた日本死ね」はまさに名文だと思う。まったく隙がない。むかつき感が文章からにじみ出てて本当に好きです。

話を戻しまして、冒頭にも書いたけど公共サービス・公共ルールは数年たったらアップデートされていくべきだと思うし、本書ではもっと多くの皆さんに政策起業家の門戸が開かれるようなアプローチだったけど、例えば20年先くらいまでの教育分野だけ、福祉分野だけに絞ったテーマで、政策起業家としてのアイデアを紹介する本があったらまた読みたいなと思いました。

徒然なるままに書いてしまった。
それではまた。

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