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『カレル・チャペックの見たイギリス』

カレル・チャペック著 『カレル・チャペックの見たイギリス』 栗栖茜訳(海山荘、2022)

なんとなくね、この本が目に止まったんです。
1度目は、目に入っただけ。
本屋を出ようとする段階でも、頭から離れない本。
だけど、もう時間がー!!!!

2度目は、出先に近くの本屋で探してみた。
慣れない本屋って何がどこにあるのか見当もつかないので、
無駄に時間がかかってしまう&うっかり出費の恐怖。
※日本の本屋は大体知ってるぜ!!なわけありません。

欲しいと思うと見つからない。
もーいいよー(´・ε・`)
探すのをやめたら急に見つかった。

さて。
この本は、カレル・チャペックが約2ヶ月のイギリス滞在で彼が経験したことを、新聞記事に連載して投稿したことがまとめられている。
それが、”Angelické listy"(Letters from England)。
日本語版は、訳者によれば『カレル・チャペックの見たイギリス』だという。
カレル・チャペックとは、1800年代後半から1900年代初め頃を生きたチェコの作家。
この本の可愛い挿絵を、彼自身が描いたものだというのが驚き。
ネットで見ると、お姿が…
外見で人を判断してはならないってことですね、はい。

ヨーロッパの人が見る、イギリス(ヨーロッパ)の良し悪し。
観光しているようで、観光していない(≠私が思い描くような観光)
彼の日常を、チャペックになったような気分でイギリスを歩くのだ。
100年ほど前のイギリスを。

島国、イギリスで10日経った頃にチャペックは、この記事を書き始めている。

彼の五感を通して見るイギリスの良いところ、悪いところ。
彼のユーモアセンスに、笑ってしまう。
彼と一緒に旅をしているような、自身の経験したわずかなイギリスでの記憶を辿りながら「あぁ〜」と読む。

本を読みながら、ネットで実際の地を調べて、ここを見て彼は考えたんですか、と思いに耽る。

カレル・チャペックのものすごい観察力に、めちゃくちゃ引き込まれる。
散歩している時に、こんなに考えてるんかい!!と言いたくなる。
彼の見る景色から、当時のイギリスの社会状況や課題も見えてくる。
私はこの本を読んでいて穏やかな散歩を想像しながら、確実にある問題提起も隣を歩いているような気持ちになった。

ざっくり感想。
えぇーーーー、この本を持ってイギリスに行きたいんだが。
これに限る。
100年前のことでも、今はまったく違いますーってほどに変わってはいないでしょうよ。

大都市ロンドン。
ロンドンの交通事情を読みながら、それって100年前のイギリスだけじゃないと思わされた。
カレル・チャペックの本を読みつつ、私も脳内で彼と対話するのだ。
返答はもちろんないんですけど(あったら怖いので不要です)

イギリスに行けるのなら、未知の世界のようなスコットランドに行きたい。
反対方向にあるウェールズにも。
個人的に好きな、ウェールズ語を聞いてみたいんだ!!
なんとも聞き心地の良い言語。
全然分からんけどや\\\\٩( 'ω' )و ////

言語つながりで。
チャペックがイギリス人は、何を言っているのか理解し難いと書いていること。
カレル・チャペックよ、日本語はもっと大変だぞ。

イギリスのカレッジ。
この本には、ケンブリッジ大学とオックスフォード大学の両方が紹介されている。
少なくとも15はあるカレッジを覚えられないと言う、彼の気持ちも理解はする。
しかしだ、カレル・チャペックはケンブリッジ大学を褒め称え、オックスフォード大学をディスっている。
もう少し褒めてあげてや!!と思いつつ、カレッジの名前を覚えられないと言う彼が褒めるのだから素晴らしいのだろう。
ケンブリッジ大学は、ぜひ訪れてみたい!!

田舎の紹介。
皮肉りながら、ロンドン南にあるサリー州とエセックス州の田舎の紹介もしている。
ロンドンの魅力は、その郊外にあると誰かが言っていたのを急に思い出した。
行ってみたいーーーー!!!!(何度でも言うぞ)

いくつもの教会が紹介されているところ。
私はイギリスの教会に多分行ったことがないはず。
ただ、ヨーロッパの教会は本当に美しい。
もし彼と同じく、2ヶ月もイギリスに滞在出来るなら…
①教会巡り
②博物館巡り
③田舎にこもってチャペックが書いていたように、動物観察もする
④大都市で、たくさんの中の1人になりきる
⑤イギリスの本屋や図書館巡り
などなど。
こんな旅(散歩)がしてみたいなぁ。

ところで。
チェコってあんなにドイツ語圏に囲まれているのに、
チェコ語は、ロシア語やポーランド語に近いというではないか。
(英語が通じないと書いてる部分があったので調べてみた)

ヨーロッパ人の見る(考える)ヨーロッパって、めちゃくちゃ面白い。
どれだけ褒め言葉が散りばめられていても、まぁ自分の国が1番だけどね!!と言う。皮肉も必ず添えて。


おすすめですよー。


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