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もう単価でモヤモヤしない!フリーランスのための納得できる単価設定方法

最近、割とこんな感じで単価に関する相談を受けることが多く、

また、これとは別の話になりますが、単価や業務内容に関するモヤモヤをTwitterでよく目にします。


で、単価に関する納得度を高められたり、モヤモヤを軽減できたほうが
仕事を受ける側
 ・余計なモヤモヤを抱えず、スッキリした状態で高いパフォーマンスを
  発揮できる
仕事を依頼する側
 ・モヤモヤによるメンバー交代が発生しにくくなるため、チームに知見が
  溜まりやすくなる
といった感じで、お互い幸せなのでは?と思い、この記事を書きました。


といっても、僕自身が心理的な駆け引きがめちゃくちゃ苦手なのと、駆け引きしすぎると長期的な関係を築けないので、そういった話はしません。
また、自分を能力以上に大きく見せて高い単価で引き受ける、といったこともプレッシャーでメンタルが死ぬので、そういう話もしません。

この記事では
単価がどう決まるのか
について触れた後、
なぜ単価や業務内容でモヤモヤするのか
について触れ、最後に
納得感の高い単価で仕事を得るためにどうすればよいのか
について話していきます。

(前提として、私が準委任契約でしか仕事を受けたことがないため、話として共通するところはあるかもしれませんが、請負契約は今回の話の対象外とします。また、これが唯一の正解というわけでもなく僕はこう設定している、という1つの事例として参考にしてもらえれば、と思います🙏)

単価がどのようにして決まるのか

そもそも、単価の大枠はどのようにして決まるのでしょうか。

それについては、はまあさんのこちら👇の記事が参考になります。
(こちらは転職についての記事ですが、転職も準委任契約もアルバイトも、
経済学における労働市場で取引される労働力、という意味では同じかと)

結局は、フリーランスの単価の大枠も「個人の能力」といったミクロなものより、「発注者の企業が属する業界やそのビジネスモデル」といったマクロな要素に大きく影響を受ける、と考えられます。

そして、個々人の単価については、
・そういった企業ごとの単価の大枠
・職種ごとの需給ギャップや、アンカー効果に影響を受けた平均相場
・個々人の能力
あたりから決まってくるのではないかと思います。

なぜ、単価や業務内容でモヤモヤするのか?

ではここからが本題。
なぜ、人は単価でモヤモヤするのでしょうか。

個人的には、主に二者間の認識の齟齬値付けの失敗が原因ではないかと考えています。

二者間の認識の齟齬
まずは認識の齟齬について。

契約時に取り交わす発注書には、業務内容として「開発業務及び付随する業務」などと書かれていることが多いのですが...

では、どこまでが ・・・・・「開発業務及び付随する業務」なのでしょうか。

解釈の余地が広すぎ、かつお互いが自分の都合の良いように解釈するため、実際は👇こんな感じで想定する業務範囲がズレることになりがちです。

開発業務が何を指すか

そして、双方の認識がズレたまま仕事を進めていると、徐々に鬱憤が溜まっていき...

もう辞める

となり、別の現場へ...といったことになりがちです。

また、想定している業務内容は一致しているものの、

認識が合ってると思いきや

実際のコードについての認識が間違っていた、というケースもあります。

大規模リファクタ必要でした

つまり、
労働力・サービスの売り手(フリーランス)と買い手(企業)がおり、
・売買するサービスの内容(=業務内容)
・売買するサービスが提供される際に前提となる状況(=既存のコードベース)
に関して認識の齟齬があるために、モヤモヤが発生する、というわけです。

値付けの失敗
次に値付けの失敗について、牛肉を例えに解説していきたいと思います。

たとえば、牛肉の値付けにおいて、普通の牛と黒毛和牛の牛肉、どちらも100g298円で買えるなんてありえませんし、

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タンもこま肉も他の部位も一律100g298円なんてことはありえませんよね?

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それぞれの牛、部位は別物であり、それぞれの肉に見合った価格で売買されています。

価値が違う

これは
・それぞれの品種、部位の肉は別物であり
・それぞれに異なった価値があると一般的に認識されている
 (=異なるアンカーが働いている)
ためです。

フリーランスエンジニアの時間単価も同様に、
・個々人の職種(≒品種)、提供できるサービス(≒部位)は別物

なので、牛肉同様、それぞれに異なる価格で取引されても良さそうなものですが、職種ごとの平均単価に引っ張られ、誰でも似たような時間単価になってしまうことが多いです。

エンジニア

これは
・職種については異なった価値があると一般的に認識されているものの
売り手であるフリーランスが
・手持ちのサービスにどういったものがあり、それがどういった価値を持ち
・それに値札を付けるのであれば、いくらになるのか?

という値付けに失敗しているためではないでしょうか。

では、どうすればお互いモヤモヤしないのか?

単価や業務内容でモヤモヤする一般的な原因についてはわかりました。
では、どうすればお互いモヤモヤせず、すっきりとした状態で契約を結び、仕事に臨めるようになるのでしょうか。

個人的には孫子の「彼を知り己を知れば百戦して殆うからず」になるのではないかと思います。つまり、

彼を知り
・買い手(企業)がどんな事業を営んでおり
・どんなことをするために、どういった人を求めており
・現状のコードベースがどういった状態か
を知り、

己を知れば
・自分がどういった役割を志向しており
・自分のスキルのうち、売り物にできるスキルは何で
・また、それに値札を付けるとすればいくらになるか?
について棚卸しを行い、

彼を知り己を知れば
・自分の売り物であるスキルが何で、相手の事業にどう効くのか、
 相手の言葉に翻訳して(これが一番重要!!!)伝える

ということです。

なので、僕の場合、オファーいただいた際に
彼を知り
・相手の会社のこと、サービスをざっくり調べて
・どういった価値が提供できそうか目星を付け
・可能なら契約前にNDAを結んでソースコードを見せてもらえるよう依頼し
己を知れば
・自分が志向している役割、売り物となるスキルを確認し
・相手のサービスと自分のスキルをどう噛み合わせれば良さそうか考え
彼を知り己を知れば
・お話を聞く際に、相手がやりたいことを確認し
・自分が持っているスキルを組み合わせれば、
 どういった価値を提供できるか、相手に刺さる言葉で提案し

買うか買わないかは相手次第、という形でお話させていただくことが多く、また、技術力の割にありがたい単価でお仕事いただけることが多いです。

認識の齟齬に起因するモヤモヤについては、契約更新のタイミングで
・自分が前提として考える業務範囲
・自分が実際にこなしている業務範囲
の乖離を説明し、都度単価の相談を行う、という感じが良いかと思います。
(実際、自分はそうしてます)

まとめ

フリーランスは働き方であると同時に、自分の労働力を販売する商人でもあるので、そういった視点で売り方を考えてみても良いのではないでしょうか。

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