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「普通の男」の正体

女性が結婚相手に求める条件は、何かと火種になりやすい。

年収500万、身長170センチ以上などを「普通」の例として並べ、それに対して「フツーじゃねーよ!」とツッコミを入れるのがお約束。

男性側の言い分としては、それはかなりの好条件である、ということなのだろうけど、実際のところ、男性の平均年収は532万円、平均身長は170.8センチなので、やや控えめなくらいの妥当なラインなのである(2022年11月29日ググり調べ)。

ただし、確かに平均年収に限って言えば、適齢期に絞ると500万円を割る。
だから、ツッコミを入れているのが結婚適齢期の方々であれば、こちらにも一理あるのである。庶民的経歴の自分の周囲を見ても、そんなもんだと思う。

じゃあ、女性のこの普通感覚はどこからくるのか?

それは女性の持つ結婚相手像のソースである。

それは、広告だ。というのがわたしの答えなんだけど、

というのは、広告写真で、家庭像を描くとき、そこには想定世帯年収ってのがあって、それがだいたい600万〜800万だという。

10年も前の話なんだけど、それを仕事の資料でもらったとき、既に家庭人だった自分はかなりショックで。

なるほど。そりゃ、普通にマスメディアに触れてたら、あれもこれも高すぎると不平不満だらけになるわけだ、と納得し、以来、情報源としてのマスメディアからは距離を置いている。

ここで冒頭に戻ると、女性はもしかしたら、この辺のマジックにはちょっとだけ気づいていて、奥ゆかしくも少し割り引いて500万程度を「普通の男性」としているのかもしれないけれど、

その500万でも恵まれているわけだから、当事者戦略としては、男性はマスメディアと距離のある女性を選ぶこと、女性もマスメディアから距離を置くことが役に立つかも知れぬ、と伝える相手が特に見いだせない思いつきを、ここにそっと置いて仕事に向かうのだった。

自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。