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タロットカード美術館に行ってきた

タロット美術館に行ってきた。

年に一度ほど会っている大学時代の親友とのおでかけ先として選んだんだけど、

あらためて、「対話の呼び水」としてのタロットの威力は絶大だなあ〜と、感動した。

しばらく会っていないと、いくら気が合う関係でも、深い話に入るのに、今の二人にとって重なり合い、響き合うルートいい入り口に、なかなか会話が引っかからず、

時間が迫ってきてから楽しくなってきて、もっと早くここに到達したかった〜!ってことってあるんじゃないだろうか。

結局大丈夫だとしても、会うときはちゃんと話したいことを話して盛り上がれるだろうかと、楽しみ半分ちょっと不安になるのは、わたしだけではないと思う。

昨日は、最初にタロット美術館に行ったおかげで、カードを捲り、出てきた図像をお互い読み解くうちに、すーっと自然に深い会話に突入。

子どもの性別も違うし、暮らしの環境も、仕事も全然違うのに、響き合いまくり、あらためて気づいたこともたくさんの、充実した時間を過ごすことができた。

タロット美術館は、ゆったりとテーブルでお茶をいただきながら、10種類以上のカードを実際に触れて楽しむことができる。

90分制限の滞在時間が終わった後も、カフェに移動して、店内のカードを使ってもいい。

昨日は、カフェに移動する頃には、すっかりその必要もなくなっていたんだけど、料理も美味しかったし、タロットとの対話がはかどるように、テーブルもゆったりサイズで店内も落ち着いた雰囲気。

ヴィーガン対応のメニューのせいか、外国人の方が多いのも印象的だった。

この手のアイテムに抵抗を感じる人でなければ、デートコースにも、初対面の相手とのおでかけにも、最高のスポットだと思った。

この場所を運営しているのは、タロットを販売しているニチユーという会社。なんで行きたかったのかと言えば、

以前、ここで売っている、オリジナルのマルセイユタロットに一目惚れしてしまったからだ。

まず、色がいい。

版画のような掠れた色ののり具合がいい。

手触りがいい。

わたしは、自分の輪郭を明らかにする「自己探求」のアプローチには、ふたつの道があって、

ひとつは「何が自分ではないか」として、他者と世界を知る「地」のアプローチ、

もうひとつは、「現象をどう捉えるか」、多様な視点で自己を観察する「図」のアプローチだと思っている。

地のアプローチは、要するに、家族、仲間、地域、その外側への旅と、人生と旅のなかで動きながら徐々に明らかになっていくもので、

図のアプローチは立ち止まって静かに、じっと見つめることでだんだん立ち現れてくるもの。

タロットは、文字通り後者のアプローチをはかどらせる道具なんだけど、一般的には、

「うまくいくの?いかないの?」

「当たるの?当たらないの?」

という二元的な世界観の時代に広まったので、フォーチュンテリング≒占い的な用途で、使われるのが一般的だ。

ここ言った「図」のアプローチの道具としては、何かを当てるのではなく、自分の視座を離れ、第三者「タロットの視点から現象を俯瞰する」ために使うんだけど、

マルセイユ版は、自分の思考と感情をいい意味で止めてくれるのでいいなあと思いながら、好きだと思えるカードがなくて、持っていなかった。

どんなに便利な道具でも、デザインが気に入らないと買えないせいで、持っていないもの(ゴミ箱とか)は他にもあるけど、そういう「欲しいけど買えてないもの」のひとつだったのだ。

その悩みから解放してくれたのが、このニチユーオリジナルのマルセイユタロットだったので、そんなセンス溢れる会社が作った場所があるなら絶対に行きたい!

と常々思っていたのである。

で、じっくり半日過ごしてきたんだけど、

…最高でした…!!

また、浅草橋エリアで人に会うときは、ぜひ行きたい。

お気に入りの場所が増えるって、しあわせですね。

自分の書く文章をきっかけに、あらゆる物や事と交換できる道具が動くのって、なんでこんなに感動するのだろう。その数字より、そのこと自体に、心が震えます。