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「利己的な遺伝子」から紐解く、親切が自然淘汰されない理由

人間は、何かしらの目的や
意味を求める生き物です。

あなたは、自分たちの
行動の発端が
どこから来ているのか
考えたことがますか?

冷静に考えると
私たちは自分のことだけを
考えていた方がよさそうなのに

人のために、親切にしたり、

子供を育てたり利他的な行動を
しばしとることがあります。

これは、いったい
なぜなのでしょうか?

本記事では、
遺伝子の観点から
私たちの行動の原理を
紐解いていきます。

遺伝子が
私たちの行動に
与える影響について
考えてみましょう。

この記事を読むベネフィット

1.自分自身の行動の発端が
どこから来ているのか
理解できる。

2.人に親切にする理由がわかる。

3.あなたが行動をする理由が
わかる。

4.自然淘汰とは、
何が淘汰されるのかが
分かる。

進化論の矛盾

ダーウィンの進化論では

生物は自然淘汰によって
進化していく
という考え方をしました。

しかし、この進化論には
一つの矛盾が存在しました。

それは、利己的な個体
(自分の事だけを
考える:ジャイアンタイプ)が
生物の行動を支配しても
おかしくないように
思えますが、

親切や利他行動は
自然淘汰されていないのです。

これはどうゆう
ことなのでしょうか?

あなたが行動する理由

この矛盾を解くために、
リチャード・ドーキンスの
『利己的な遺伝子』を
参考に深堀りしていきたいと
思います。

彼は進化論を「遺伝子の観点から
捉えなおす」ことで、

生物の行動の原理を解明しようと
したのです。

キリンの首は何故長い?

キリンの首が長くなった理由を
あなたは知っていますか?

ある日、突然変異で
1頭の首の長いキリンが
生まれました。

この結果、首が長いと
餌にありつける
確率が高くなることが
わかりました。

そして、長い年月をへて、
首の短いキリンの遺伝子は
自然淘汰され、

長い首(の遺伝子)は、
有利な特徴として残りました。

そうです、自然淘汰とは
「遺伝子の淘汰」の
事だったのです。

遺伝子は、
生物の存続を目指し、

自分自身を次世代に伝えるために
様々な方法を選択します。

自然淘汰が選ぶもの

DNAの自然淘汰は
個体の生存と繁殖に関わる要素を
重視します。
(恋愛をした時に
恋愛ホルモンが出るのも
遺伝子を残すためです)

では、
利他行動(親切など)は
なぜ自然淘汰されない
のでしょうか?

それは、個体レベルで見ると
ジャイアンのような
利己的な行動が有利に思えますが、

群れ全体を考えると
のび太のような
利他的な行動の方が
適応的だということです。

ミツバチの究極の利他行動

ミツバチの例では、
究極の利他行動を
行う働きバチと、

究極の利己行動を行う
女王バチの存在が挙げられます。

ミツバチは働きバチが
巣や子育てに従事し、

自身の生殖の機会を
犠牲にして

他の個体(嬢王蜂)の繁殖を
助けます。

これらの行動は、
個体の利己的な生存と
繁殖のみを
追求するのではなく、

群れ全体の生存と
繁栄に貢献するために
進化したものです。

ミツバチの社会性から考える利他行動の説明

実は、ミツバチの利他行動は
遺伝子の存続と大きくかかわって
います。

働き蜂は基本メスのみです。

働きバチが自分の子供を
生んだ場合、

自分のDNAが引き継がれる
確率は50%になりますが

嬢王蜂の
お世話をするという、
利他行動をし

嬢王蜂に
子孫(妹)を生んでもらうと、
自身の遺伝子を持つ
子孫の存続の比率が
70%まで上がるのです。

ミツバチは近親者の生存と
繁殖に貢献し、
他者貢献した方が

遺伝子の存続を
確保することが
できるのです。

遺伝子中心の視点で利他行動を理解する

利他行動は
個体の視点から見ると
矛盾しているように
思えますが、

遺伝子の観点から見ると
合理的な行動と言えるのです。

遺伝子は、自身の存続を重視し、
そのためには利他的な行動を
選ぶこともあります。

「利己的な遺伝子」の中で
著者は、

個体が存在するのは、
遺伝子が次世代に
伝わるための乗り物としての
役割を果たす
ためと言っています。

遺伝子が自身を増やすために
個体を利用する
という視点で利他行動を
理解することができるのです。

個体は遺伝子の乗り物

遺伝子の起源についても
考えてみましょう。

遥かな昔、
生命は単細胞の形で
存在していました。

遺伝子は当時は
露出していた状態であり、

生物は自然淘汰によって
遺伝子の競争を
繰り広げていました。

しかし、
時間が経つにつれて
生命は進化し、

膜で覆われた細胞が
できました。

この膜は遺伝子を守りながら、
内部の環境を制御する役割を
果たしました。

遺伝子の保護

そしてさらに進化が進み、
核を持つ細胞が誕生しました。

これによって
遺伝子はより安全に
保護されるようになったのです。

そして、
遺伝子は乗り物を
乗り捨てながら、

自身を増やしていくのです。

生物が生き残り、
繁殖することで、

その遺伝子は次世代に引き
継がれます。

利己的な行動も
利他的な行動も、

遺伝子の増殖と
存続を追求するための
戦略として存在しているのです。

このように考えると、
自分たちの行動や
行動の発端は、

遺伝子に根ざしている
ということがわかります。

遺伝子中心の視点から
進化や行動を考えることで、

利己行動や利他行動が
どのように生物の生存と
繁栄に寄与しているのかを
理解することができます。

最後に、
自然淘汰によって
遺伝子が選ばれ、

生物の行動が
形作られるという考え方は、

ダーウィンの進化論に
対する新たな
視点を提供しました。

生物を単位とする
従来の進化論では
説明しきれなかった

利他行動や社会性の進化を
遺伝子の観点から
解釈することができるのです。

遺伝子の観点から
自分たちの行動の
原理を探求することで、

人間の行動や
社会のあり方についても
深い洞察を得ることが
できるでしょう。

遺伝子にとって私たちは
入れ物であり、

その中に宿る行動の原理は、
自然淘汰の力によって
形作られたものなのです。

まとめ

遺伝子を残すための入れ物が
肉体であることが分かりました。

遺伝子は、利己的な行動と
利他的な行動の両方を通じて

自身の存続と増殖を追求します。

利己的な行動は自己の生存や
繁殖につながる場合、

利他的な行動は
近親者や仲間の生存と
繁殖を促進し、

遺伝子の存続を優先します。

進化の過程では
個体だけでなく、

群れや社会性も行動の影響を
与えます。

群れ全体の利益や
集団の繁栄が
重要な要素となる場合、

利他的な行動が
選ばれることが
あります。

遺伝子は乗り物を乗
り捨てながら

自身を増やしていく
存在であり、

生物は遺伝子の
存続と増殖のために
存在しています。

遺伝子中心の視点から
自分たちの行動を
考えることで、

生物の行動や
社会のあり方について

深い理解が得られます。

種の存続

自然淘汰によって
遺伝子が選ばれ、

利己的な行動や
利他的な行動が
形作られることを
知ることで、

私たち自身の
行動や社会の
相互作用についての
洞察が深まるでしょう。

私たちは遺伝子の
乗り物として存在し、

その中で行動することで
遺伝子の存続と
増殖に貢献しています。

遺伝子中心の視点から
生物の行動の
原理を考えることで、

自分たちの行動の
発端がどこから
来ているのかを理解し、

より意味のある
生き方を追求することが
できるでしょう。

人は気づけば
いつからでも変われます。

あなただけじゃない。
あなた一人じゃない。

知識は人生の
盾であり矛である。

あなたの歩いた道が
幸せの道でありますように。

ではまたっ。

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