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怒った直後のごめんねはアリ?

こんな質問をしているのでコメントしませんかとあった。

質問をした方の自己紹介の最後には、120%日本人の米国人ですとあった。モスが好きな外国人写真家や抹茶など侘び寂びが好きだと言う外国の人っていいなと思っていた節があったのでコメント出来ればしてみようかなとフト思い読んでみる。

「失敗や失言をした際、素直に認めた方がその後の評価が上がる気がしますが、そう出来ない人が多いのは何故ですか?浅はかだった、判断を誤った、穴があったら入りたい、等と反省した人はいますか?
私の拙い経験では高等教育を受けてきた人ほど、失敗を素直に認めない傾向があるように思えます。これって、その人がどのような指導を受けてきたかによっているのだと思えます。

私は物理学者ですが、こんな経験をしたことがあります。アメリカの大学院で私が指導した中国の女性の話です。彼女は私から独立した後も、時々彼女の研究の相談に乗ってあげて、色々なアイデアの実現化のお手伝いをしたことがあります。そして、今でも友人として、また、共同研究者として、良い関係でいます。

ところが、彼女は結構負け気が強くて、初めの頃しばらくは、自分の誤解や失敗を中々認めず、議論で無駄な時間を費やしてしまうことが多々ありました。でもそのような無駄な時間にも根気よく(でも怒鳴り合いながら)議論を続け、さらにその議論をもとに彼女が計算をし直すという場面を何度も繰り返していました。そしてそのうちに、彼女は物理の問題を考えるときにどれほど過去の失敗の経験が重要であるかを少しづつ分かってきてくれました。そう言う意味で彼女は失敗の言い訳などをせずに素直な反応をすることを少しづつ覚えていきました。

でも、持ち前の負けん気の強さが出て、また自分の言い訳をして自分を正当化しようとするところが出てくる。そこで、私は彼女に、今までの私たちの議論の経験から、そんなところで意地を張っていることがどれくらい時間の無駄であるか、もう分かってきたはずなのになんでまた同じようなことを繰り返すのかと諫めたことがあります。その時の彼女の返事の中に、ここでの質問の回答の一つがあると思えました。彼女曰く、

「私が指導を受けてきたほとんどの先生は、なんでそんな初歩的なことも解らないのかとか、お前は勉強不足だ、知識があまりも貧弱だ、と言う形で指導を受けてきて、失敗することを散々非難されてきました。だから、失敗をすることが恐ろしくなって来ていたのです。だから、失敗を認めようとしない。ところが、Tomioと議論して初めて、失敗したときをその反省する機会が出来たと喜んだりして、なんとか二人で問題を解決しようじゃないかと言う議論を知ったのです。他の先生ってTomioのようには振る舞ってくれませんよ。失敗して褒められたなん、そんな経験は滅多に出来ないですよ。

それで、今では失敗を素直に認めて、そこを何とかしようと言う議論をすべきことは分かっているのですが、でもつい昔受けてきた指導の影響で、失敗をまだ怖がっているんですね」

実際、彼女は昔ほど失敗の言い訳はしなくって来ていました。」

何て素敵で自由な関係なんだろうと第一印象。自分の中の師弟関係、上司と部下のイメージとは全然違っていたが、そうあるべきなんじゃないかとも思った。アドバイスになるかならないかは分からないが、コメントを開始。

「参考になるかどうかは分かりませんが、あるラジオ番組で尾木ママが怒ってしまったら、ごめんねって謝る事が大切とおっしゃっていました。それは親であっても。Petrosky先生はご指導されている生徒さんの怒りに対して不満をもっていたんですよね。師弟関係、上司と部下など下の人と仲が良く、下の立場の人が姉さん的存在なら、きっとPetrosky先生が彼女の失敗を指摘、きつく指導したりされた時だけ立場が逆転するのでは?それは仲のいい師弟関係にはよくあることです。その場合、彼女が突然立場的に生徒に変化したこと、さらに自分が間違ってしまったことの2つが重なり、素直になれなかったんでしょう。さらに、怒ってしまった自分をごめんねと言えばいいんでしょうか?多分、Petrosky先生は彼女に「あの時は怒ってしまって直になれなくてごめんね。」と謝られたら、指導されている立場なのに、指導している人にごめんねとは生意気だになりませんか?いい気はしないでしょう?それも受け入れられるなら、きっと彼女は素直に謝るべきだと思います。しかし、師弟関係、上司と部下などはっきりと立場がある関係でもあり、かつ友人。彼女はたぶん、友人である部分よりも、先生と生徒、つまり先生に指導してもらっているという部分の関係を重視しているので、簡単には怒りがおさまった時に謝りにくいのではないでしょうか。もちろん、Petrosky先生が素直に謝ってくれたほうがいいとおっしゃるのであれば、彼女は謝るべきだと思います。その方がスッキリしますよね。もちろん、此処でお話させていただいているケースは、彼女が謝ろうとしていると想定した場合です。最初から彼女が謝る気持ちが無いのなら、まったく違うことになり、アドバイスもできません。個人的には、立場とかは関係なく、間違ってしまったのなら、素直にその点については謝るべきだと思います。ただ、指摘のされ方によっては、叱られたではなく、怒られたと思ってしまったのなら、間違った事そのものではなく、間違った人を怒っておられると解釈された場合、申し訳なさが怒りという形で出てきたのかもしれないなとも思います。」

立場を超えて怒ってしまったなどする場合、やっぱり、尾木ママの言う様に、「ごめんね。あの時あんなこと言っちゃって、反省してるよ。」って言えば全部OKってなるような関係にならなきゃいけないんだよなぁって。だけど、子供は全部許してくれるからって尾木ママはおっしゃていた。子供って素晴らしいなとしみじみ思った。

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