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[日記1]海中のような夜
2023年7月4日
今日が7月であるということを信じられないまま一日が終わった。
喫煙所は陽炎が立つほど暑く…はなかったが、空調の効いた屋内から出た体にはそのくらいの温度に感じた。
刺すようというよりは、まとわりつくようというか。
暴力的な温度にじんわりと締め付けられるような心地がした。
いつか人類が地下や屋内で生活することになるとしたら、この暑さも心地よいものに感じるのかもしれない。
夜、ぬるい水の中を泳ぐような風に、思わず空気を掻いた。
たばこ入れが揺れる。
海中のような夜を、幾度も過ごしてきた。
海の中の波というのは、案外ぬるい空気の外気と似たときがあるのだが、皆それを知らない。
夜を泳ぐというのは、こういうことを言うのだ。
もちろん、外気で感じるものなので、昼泳ぐこともできる。
ただ、どちらが格別かという話だ。
日記は、書き足りないくらいがちょうどいい。
また、明日書きたくなるから。
生きるのも、多分そのくらいがちょうどいい。
早く、死にたくなってしまうから。
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