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在宅勤務日記(5日目)

 一生捨てられないと思っていた指輪を捨てた。
あんなに重かったはずの3gもゴミ袋に投げ入れてしまえばもうそこに在るのか無いのかすら分からない程に軽くて。もっと早く気付けば良かったな。手元に残った指輪はおばあちゃんの遺品で作ったこのひとつだけ。(https://note.com/neon923/n/n43c2388e747b)

 でもしばらくはきっと、それでいい。

 そして、この際だからと服やら食器やら我が家を占拠していた思い出も45リットルのゴミ袋に詰め込んだ。今はもう隣に居ない人の抜け殻、たっぷり4袋分。流石にそれをゴミ置き場まで運び出すのはなかなか骨の折れる作業だったけど、あぁ、ちゃんと重くてよかった。思い出の重さを感じてわたしの心はほんの少しだけ軽くなったよ。今はもう隣に居ない人に、やっときちんと別れの挨拶ができたような気がする。

 またひとつ、仕事とは全く関係の無いところで在宅勤務の意味を作ってしまった。浮いた通勤時間、45分間で日常を疑ってみる朝と夜。
 さあ今週も仕事が始まる。ほどほどに頑張ろう。ウイルスにも自分にも負けずに生きていられますように。

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