子供の腕が抜けたら

どうもこんにちは

公園には毎日お子さんが溢れかえっていますね

「子供の腕が抜ける」よく聞く言葉ではないでしょうか

以前子供と公園で遊んでいて、見知らぬお子さんがお父さんに急に腕を引っ張られて泣き出した場面に遭遇したことがありました
僕は声をかけるべきか迷っていたのですが、その場に居合わせた妻が躊躇なく「うちの旦那が治しますよ」と声をかけ
案の定抜けていたのではめてあげた事があります
もちろん、医療機関を受診するように伝えましたけどね

一般に「腕が抜ける」と表現されるのは「肘内障」という怪我をさしており、1〜4歳の小児に頻発し、急に手を引かれたり手を持って上に持ち上げられたりした際や、時に寝返りなどで腕がねじれた際にも起こることがある怪我です

子供自身がしっかりと手で何かを握っていれば仮にぶら下がったりして全体重が腕にかかってもあまり発生することはありませんが、脱力している状態で急に引っ張られると起こりやすいです。ちなみに今まで僕が遭遇したもののほとんどが大人に腕を引っ張れた際に発生したものでしたが、10数年のキャリアの中で一例のみ、寝ていて急に痛がりだしたと親御さんが言われた症例に遭遇したことがありました。(実際のところはわかりませんけどね、本人は口で言えない事も多いので)

ちなみに症状ですが、肘内障を起こした子供のほとんどが腕を下にさげて動かそうとせず、他人に触れられると強く痛がるため、受傷した状況と症状を確認すれば比較的容易に鑑別が可能です。橈骨頭と呼ばれる前腕の骨の頭の部分が橈骨輪状靭帯と呼ばれる腕の靭帯から逸脱した状態(前腕の骨が上腕骨から亜脱臼した状態)とされていますが、レントゲンではわからないほどの小さな逸脱のためレントゲン検査には異常がみられません。正しい整復処置によって比較的簡単に戻すことが可能で、整復がうまくいって痛みを訴えなくなれば肘内障だったと確認できるとも言えます

ただ、整復操作がさほど難しいものではないため、近年ではインターネット上で「子供の腕が抜けた」と検索すると治し方を見つけることができるようになりました。痛がる子供のためにできるだけ早く治してあげたいという想いから、親御さんが整復操作を試みる気持ちもわからなくはありません

しかし

一度の整復操作では実はきちんと治っておらずその後何日も痛い思いをしているということがあったり、実は肘内障ではなく他のケガで、無理に触って悪化させてしまうということが実際に時々起こっています

もしも子供が腕を痛がったら、仮に肘内障だろうなと思っても必ず接骨院や整形外科を受診していただきたいなと思います

「肘内障」は自分では痛みやケガした状況を説明できない年代に起こります

子供が痛くて辛い思いをしなくても良いように、正しい対応を心がけてください。

柔道整復師のみなさん、安易に整復法をyoutubeなどに載せないように。有資格者以外の皆さん、技術的に整復できるとして、仮に止むに止まれぬ理由で整復した場合、きちんとその後に病院の受診を勧めてくださいね

それでは。また

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