Cadreメモ:シャドウと穢れ


まず穢れとは


世界の始まりから存在している物理的、精神的な負のエネルギー体。
放射線よりも危険性がある。
世界の生命エネルギーである魔光とは対を成す。
シャドウが見える場合、穢れが黒い煙のように見える。
自然にあるものだが、濃度が濃いと環境が朽ちていき、その場の者の負の感情を高めるなど、様々な悪影響を及ぼす。

穢れや負の感情が体の許容を超えて高まると、ドロドロとした黒い膿が身体から排出され、体に黒い痣が生じる。
黒い膿や痣は誰にでも見えるため、誰にでも起こりうる奇病として認識されている。

シャドウ

Cadreにおいての敵モンスター。
各々に秘めた強い欲望「想い」を核に、穢れで構成されている。
シャドウの核である想いは基本的に混濁しているが、純粋になるほど強くなる傾向にある。

下位種は本能から穢れを撒き散らし、汚染などで仲間を増やそうとするが、上位種は想いの赴くままに行動する。

生物ではなく、基本的に魂だけの実体のない不安定な存在で、通常は認識できない。
だが認識しない限りは向こうも認識しないため、
余程の穢れを発する者でなければ、滅多に襲われる危険性はない。
穢れの性質によって形状や種族が変わる。

特殊能力や特別な血統を持つ者。
「星眼」という黄金色に光る目の持ち主、
悪魔や天使などの超生命体は元々認識できる。

因みに、ごく稀に友好的で安全な個体も生まれることはある。

ランク付け

D〜A、Sと危険度ランクが存在する。

D:弱く、基本的に気にするほど危険性はない。でも油断禁物。

C:やや危険だが目立った敵意がなく、対処も安易。

B:このランク以降は実体を持っており、誰にでも認識できる。
大事件を起こす程の力はあるが悪意はない。

A:明確な悪意はないものの高い知性を持ち、災害級の力を持つ。
変身可能な半シャドウは基本A級。

S:明確な悪意を持ち、世界を滅ぼす程の大災害を起こす力もある。
被害状況次第ではA級からS級になることもある。
邪神やその邪教の差し金であるパターンが多い。

シャドウのタイプ

タイプは大まかに
破壊、捕食、憑依、寄生、侵食、感染、万能の7タイプに分かれる。

破壊
文字通り破壊に特化していて攻撃的。
純粋に衝動で動くので、シンプルに迷惑な奴。
半シャドウはこのタイプになりやすい。

精神や夢に何らかの異常を及ぼし、高位だと心を操る力も有する「精神破壊系」という特殊なタイプもある。

捕食
貪欲にあらゆる物を食い尽くし、食う程に力を得る。
性格も強欲であることが多い。
喰われて取り込まれると汚染される。
種族によっては特定の物だけを捕食する物もいる。

精神エネルギーを吸い取る「精神捕食系」というタイプも存在する。

憑依
あらゆる物に憑依して操ることを得意としている。
もちろん汚染されるし、憑依対象が生き物に限らず無機物にも乗り移る。
精神的な穢れを操る力も有している。
その性質上、幽霊型が多い。

寄生
憑依と似ているが、こちらは実体を持つ。
生き物の体内に住み着き、生命力や情報を奪い取ったり、体を改造変形させることもある。
もちろん直接接触なため汚染される。また、体を支配する種もいる。

侵食
穢れをばらまいて周囲の環境を汚染させる。
その場にいるだけでも他のシャドウが湧く原因になり、駆除対象としては最優先される。
至近距離にいると急激に汚染されることが多い。
煙やスライムなどの不定形型が多い。

感染
現在、あるシャドウに明確に確認されている特殊なタイプ。
捕食、憑依、寄生、侵食を全部混ぜ合わせたような感じ。
素早く広範囲に汚染させることに特化していて、
1度出てくると間もなく大規模な汚染災害が発生するレベル。

万能
基本の全ての要素が詰まっている特殊なタイプ。
能力に偏りがあり、基本的に力は弱いが…。

心の影

心の奥底に隠している想い、強く抑制している感情を元に生まれ出る個体は「心のシャドウ」と呼ばれ、少し特殊な性質を持つ。

一般的には、一定の想いや感情が昂って抑えられなくなった時、深く絶望した時、自暴自棄になった時など、極端な感情の変動によって体から出ていってしまう。

自身の心のシャドウを呼び出す「投影」という特殊なケースも存在する。
これは比較的安全ではあるが、以下の特徴がある。

  • ある程度は意のままに操ることが出来る。

  • 心の準備が整ってない内に放出されると、本人はパニックに陥る。

  • 体から出ても抜け殻のようにはならないが、ダメージが本人にも少し響く。

  • 時間経過による自然消滅なら無害。
    しかし、倒して消滅させると本人には相応の苦痛がくる。

現在は「投影」の技術を応用して戦闘に投入するための研究が進められている。

どんな怪物だとしてもこのシャドウは心の一部であり、純粋な想いの塊でもある。
その為、体から抜けてしまうと徐々にその者の精神に異常をきたし、発狂してしまう。

倒すか、自ら主の元へ戻るまでは自分を見失ったり、自律思考を失って無気力化してしまう。
最悪の場合、廃人化してしまうこともある。

主の中に穢れが溜まっていると凶暴化しやすく、放出したショックで死亡したというケースもある。

心のシャドウには実体があり、誰にでも認識できる。
その者の心や認知に合わせた独特な外見になっていて、
イメージしやすいのか、文献上の存在をモチーフにした姿が多い。

模倣する影

シャドウの中には、ヒトの世界に溶け込もうとして
ヒトの形をとってなりすます個体もいる。

その中でも「模倣」の能力を持った個体は、実際にいたヒトからデータを抽出し、その形や性格、知識や記憶、行動パターンなどをコピーして象る。

捕食系では喰ったもののコピー体を生み出す事が多い。
生み出されるコピー体は、見かけはともかく不安定な幼体である。

ただ「模倣」持ちは実体があるため、よくてもB級。

汚染レベル

穢れによる汚染にはレベルがあり、レベル4までなら治療が可能。

  1. 軽度のめまい、倦怠感

  2. 手足の痺れ、幻覚、一時的にシャドウを視認できる。

  3. 黒い膿を吐きだす、全身に痛みが生じる

  4. 体液が黒くなる、身体能力の衰弱、永続的にシャドウを視認できる(治療不可)

  5. 精神が歪む、異常体質を負う

  6. シャドウ化、または死亡

シャドウに取り込まれるケースで半シャドウ化すると
全レベルの症状が一度に襲いかかってくるので注意。

シャドウ化

捕食系、憑依系、寄生系、感染系などの人体に直接被害を及ぼすシャドウの被害に遭うか、異常値の穢れに長期間曝されると体が変異して、最終的にはシャドウに成るか死ぬことが殆ど。 

シャドウ化はその者の想いや欲望、自己像を核に、生命そのものが変異してしまうもの。
実体があるため、良くてもB級に位置する。

しかし変異しても見た目がそんなに変わらない事もある。
しかし中は真っ黒のヘドロ状なのが殆ど、中身の変化があまり無くても、体液が黒く濁っている。
治療は不可能だが、異常体質の症状を抑制することは可能。

そして稀に自我を維持しつつ、体が変異することがある。
こういう症状を半シャドウ化と言う。
彼らは多少ならばイメージ通りに見た目を変形させることが出来、余程の奇形でなければ通常通りの生活は一応できる。
環境によって、自我を獲得する特殊なケースもある。

変異による異常体質

・不死にはならないが、不老になる
・習慣や戦闘能力などに合わせて体が攻撃的に変化しやすい
・「苦悶能力」と呼ばれるハイリスクな特殊能力を必ず取得する
・変身できる者もいる(そういう者はA級以上に属する)

シャドウ化の程度によるが、こういうデメリットがある
・長時間素肌が日光に曝されると火傷を負ってしまう(光に耐性がある場合は平気)
・寝る必要が無く、酷い悪夢を見るのでまともに眠ることができない
・穢れが生命エネルギーの代替になるため、最低限の食事がいらない(栄養失調になりがち)
・感情の起伏が極端化したり、暴走しやすくなる。

呪いなどによるシャドウ化は遺伝することもある。
遺伝した際、不老体質が発動するのは根源の祖先が発症した時期から。

祖先が20代でシャドウ化していた場合、子孫も同じ20代で成長が止まる感じ。
ヴリューデルは異常に成長が遅いだけでまだまだ10代後半。
彼の一族は30代で止まる。

食との関係

この創作では主に食が大きく関わっていて、太陽や月にたまに影が被さる時がある。

弦日(半月のような欠け方)という部分食の時期があり、季節の変わり目に1ヶ月間起こる。

また、不定期に、全食という太陽と月が闇に完全に隠れる時が大体6カ月間ある。
その時の空は常に逢魔が時のように赤黒く、薄暗い。

食は穢れの力が活発化するもので、影が大きいほど影響力が強い。
シャドウが狂暴化して危険なほか、僅かながらも人々の内に秘めた欲望や、破壊本能が暴走しやすくなっている。
この時に月の影を凝視すると催眠状態に陥る。

特に全食となると地獄絵図待ったなし。
大地に黒い水が張られて、どこからでもシャドウが現れる。
耐性がない人々は、心の影や欲望が暴走してしまう。
そして、いつの間にかシャドウ化している。
シャドウも完全に実体化して混沌を極める。

しかし全食が終わると、見えない者や耐性の無い人々は何事も無かったかのように記憶改変され、
当たり前の日常に戻る。
身近な存在がどう死のうが、都合良く受け入れてしまう仕掛け。

穢れの破片

全食の時期に白側と黒側の生存戦争「幻魔大戦」が勃発する事があり、その際に食の影が剥がれ落ちて特殊な穢れの結晶が生じることがある。

破壊神の力を直に受けるようになり、体に入ると強制的にS級シャドウ化、運が良くても発狂、廃人と化す。

物理と精神のどちらともつかない次元に存在しており、物理的な摘出は不可能とされている。

アールス教によれば、破片には適性が存在しており、なおかつ汚染に屈さない強固な意志の持ち主ならば多大な恩恵を得られるとされている。

現在、それが確認されているのはバブルスだけ。

D級万能系「ドロップ」

最も多く出現する種。どの穢れからも生まれる雑種。
タールのような穢れの粘体で構成されている。
本能的に穢れを拡散したり、小動物のように生きる振る舞いをする。

耳の様な突起が生えていたり、少しお玉杓子っぽかったりと個性があり、地域性が出やすい。
因みによく見かけるのは猫耳型。
触ると基本的に粘り付く。

この個体に限らないが、彷徨う魂が定着して生物として実体を持つ事がある。
心は大抵本能に飲み込まれるのだが極稀に生前の心を保つことがあり、
フロイドはその一例でA級に位置する。あと触るとふわふわしている。