【250字レビュー】教団X

モラルを一旦保留して人間の奥に踏み入り、世界を分ける営み。「善と悪」「意識と存在」を分ける。高原は全てを奪われ死に近い場所まで放逐されるが、そこに超越的なものはない。欲望に飲まれた沢渡は肥大化する。松尾はあらゆる多様性を愛する。「大きな物語の中を身体に力を入れて通過しなければならない」といい、松尾は世界を肯定し続ける。こちらはどのように考えればこの世界の価値を見いだせるのか。大きな物語をどう理解すればよいのか。枠組みとしての答えは多分この物語にある気がする。スライムみたいな何か大きなものを飲み込んだ気分。

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