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【250字レビュー】水と礫


日本の家族がややファンタジーのような物語環境で動く。世代を越えた親子関係の繰り返しは物語の忰という感触。進むうちに話が深くなり広がって一つの大きな物語空間が出来上がる。この意味でバルザックのようでもあるし、古典神話のようでもある。甲一が人物を導く。もちろん日本とオリエンタル的な空間のズレ、現代だけど古典的な人物の動きはうまく処理できない感じもある。また途中の繰り返しで眠くなる部分もある。けれど、読後感が素晴らしい。こうやって人間は生きてきたのだろうという深い納得。キャラクターの感触の細かさにもリアリティあり。


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