オートマティックによる未来デザイン-テクノロジーがもたらす持続可能な共生社会-

現在、国土交通省では自動運転に関する様々な検討委員会が実施されています。人口減少が凄まじい日本社会において自動運転の効果は絶大です。既に山手線TX(つくばエクスプレス)、新幹線モノレールや新交通システムなどにおいては完全ではないものの自動運転が実現されていたり実証実験が行われていたりしています。

令和4年9月13日に公表された鉄道における自動運転技術検討委員会の取りまとめ(概要)を見ると、

①従来の安全性と同等以上の性能を確保することを基本とした設備や運転取扱いの面からの検討

②自動化レベルに関して、列車の先頭車両の最前部の運転台に緊急停止操作等を行う係員が乗務するGoA2.5と、列車の前頭には係員が乗務する必要がないGoA3、係員が乗務する必要がないGoA4に大別して検討

が挙げられています。①の検討内容は、運転士の作業内容の分析等から、下表に表されるような自動化レベルに応じシステムや係員での代替が検討されています。また、②の検討内容の自動化レベルも下表に表されています。

スクリーンショット 2022-10-13 10.59.04

そもそも自動運転技術の検討の背景や目的に、

・運転士や保守作業員等の確保、養成が困難となっており、特に地方鉄道においては、係員不足が深刻な問題。

⇨鉄道事業の維持等の面から、運転士の乗務しない自動運転の導入が求められている。

・踏切道がある等の一般的な路線を対象とし、自動運転の導入について、安全性や利便性の維持・向上を図るための技術的要件を検討。

が挙げられています。

現状、自動運転を前提に全線立体交差、スクリーン式ホームドア等を設置した箇所は新交通等自動運転システムにおいて散見されますが、踏切道がある等の一般的な路線においては、①運転士の乗務を前提に建設されており、安全・安定輸送の観点から導入されていない、②特に地方鉄道では、自動運転のための大規模な設備投資は困難ゆえに一般的な路線で自動運転する際の技術要件の検討が必要とされているため、運転士の乗務しない自動運転技術の検討が求められています。


(参考文献)

・鉄道


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?