日記 #44

23.8.5.

 久しぶりに生産的な朝を過ごす。少しずつ勉強量が上がっている。

 パトリス・ルコント「髪結いの亭主」を鑑賞。美容師にフェチを抱いていた少年が大人になってから別の美容師と結婚する話。まぎれもない傑作。そしてもしかしたらベストフィルムが更新されたかもしれない。今までのマイベストはゴダール「はなればなれに」で、pcの壁紙もずっとカフェのダンスシーンなのだが、「髪結いの亭主」にはただ「面白い」「すばらしい」だけでなく「これは俺にしかわからない」と思わせてくれるフェティッシュな雰囲気があった。そんな映画は初めてだった。
 妻の突然の行動に理解が及ばない人は多いだろう。けれど僕にはわかる。あまりにもわかりすぎる。彼女は亭主の過去に、幻想に巻き込まれてしまったのだ。そして現実の時の流れとの間に引き裂かれてしまった。胸・海・脱性化・ナルシシズム・平手打ち…マゾヒズムの全てがここに極まっている。なんて、なんて美しいのだ。オーデコロンを酒で割って二人で夜を明かすシーンには思わず恍惚のため息が止まらなくなってしまった。

 そのあと映画が専門の高校同期に電話をかけたり、オンライン家庭教師をしたりとあれこれしていたらいつの間にか夜になっていて、結局午前しか勉強できずに終わった。少なくとももう2ターン勉強できると良いのだが。けれど全くしないよりはずっとマシ。

 あ!! あと、大叔母様から留学の餞別をいただいた!! 本当に助かります。ありがとうございます。

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