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#17 室蘭(モ・ルエラニ)を歩く(うえまき)

ムロランアートプロジェクトをきっかけに室蘭を歩きました。その記録です。写真等、盛大なネタバレを含みます。ご注意ください。

どこ

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しらべよう

事前学習の時間です。


を読みました。ベビーブームに生まれた子供達が高校生になり、図書館にみっちみちに座って勉強している写真がよかったです。日本の端でもめっちゃベビーブームだったんだなと思って。

その他、インターネットで調べて私なりに歴史を整理しました。

・アイヌ語で「モ・ルエラニ(小さい坂の意)」がモルラン、モロラン、となったのちに室蘭になった。
・火山性の地形で、天然の良港。
・江戸時代、絵鞆(えとも)岬に松前藩が運上屋を置く。アイヌとの交易が行われた。
・1870年ごろ仙台藩が開拓を始めた。
・札幌とつながる道を作った
・地形上、農耕に向いていなかったため、ものづくり(主に重工業)で発展していく。
・鉄のまち
・鉄道ができ、夕張や空知の石炭を運ぶ。
・幕西遊郭があった。過酷な労働環境の中でも、男性をその土地に留めておくため。
・港から日露戦争に向かった人もいた。
・第二次世界大戦時、空襲を受けた。

私としてはこんな感じの認識です(1945年以降のことはあまり調べられてない)。

エンルム(岬)→絵鞆(えとも)
マクヌシ(木の群生しているところ)→幕西(まくにし)
ポコイ(ホッキ貝が群生するところ)→母恋(ぼこい)

アイヌ語由来の地名も多いです。


ゆこう

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きっぷの写真なんか撮って、はしゃいでいます。

ついた

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降りたバス停から見えたもの(選挙期間中)。

みよう、あるこう

まずはバスを降りてすぐの旧室蘭駅舎に行きます。

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こんな感じの建築です(選挙期間中)。

中に入るとさっそく中村岳さんの作品がありました。

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ペイントされた木の板がつぎはぎされて、蜘蛛みたい!ジャングルジムみたい!です。中をくぐったりもできます。風通しがいい!と思いました。駅が持つ「人が行き来する(していた)」動的なイメージが合わさって、息がしやすい空間でした。5歳くらいの子供が作品の中を走り回っていてよかったです。それを見守っていたら「ガリッ」という音を立てて作品に足を引っ掛けて、そこにいる大人たちがみんな「ああっ」となりました。空間の集中ボルテージがギュンと上がってよかったです。ニヤニヤとお母さんの後ろに隠れていた女の子、わかるよ、そこで不安な顔するのはカッコ悪い気がするよね。

駅を出発して、千穐萬歳堂に向かいます。

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かっこいい倉庫です。川上りえさんと室蘭工業大学の研究室の建築のプランが展示されています。

札幌で高校時代を過ごしたので「室工(むろこう)」って言葉には馴染みがあります。理系で勉強頑張ってる人は北大の理系の学部か室工目指してるってイメージでした。ええ、こんなことやるの、と展示を見て思いました。工業大学、とか、建築、を何か勘違いしていた気がします。土地の高低差を活かしたプランが多かったのは室蘭という土地のせいかな。

階段を上ります。

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川上りえさんの作品があります。地形の模型を上から眺めているみたいです。素材は鉄と錆び。階段を上ったあとだったので「見下ろす」という動作がとてもしっくりきました。建物の天井や柱の木の色と錆びの色が近くて、落ち着いた空間でした。なんだか座りたくなりました。見下ろすんじゃなくて、目線を合わせたいと思いました。全然、座ってもよかったんですけど座りませんでした。そういうところがあります。目線を合わせる。大切なことな気がします。あと、鉄って冷たいものだと思っていたけれど、錆びた鉄、なんかあったかい!

展示を全部みたいという気持ちが強く、しゃっしゃと歩き出します。イベントが始まると「終わらせなきゃ」という義務感に駆られ、楽しくもないのにツムツムをやっていることがあるなあ、と思いました。

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日本一の坂だ。上ろう。

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坂です。

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軍手だ。

坂が多い街です。

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急。

この辺で道に迷いはじめました。旧丸越山口紙店に向かいたいのだけど。

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ここは、ホテルミリオンの裏口じゃないか。

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ここもよく見ると坂です。

この辺で迷ったのが確実になったのでGoogleマップを起動しました(本当は使いたくなかった)。

ありました。

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煉瓦でできた建物です。煉瓦造と木骨煉瓦造の混構造が珍しいのだそうです。確かに、外は洋のにおいがするけれど、入ってみると和のにおいがしました。

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岩崎麗奈さんの作品が展示されています。事務所のあちこちにカラスや室蘭の鳥の横顔の写真が配置されています。歩き回って鳥たちに出会います。係りの人と二人きりだったのでちょっと緊張しました。係りの人に「なんか宝探しみたいに探しちゃいますね」と言ったら「そうみたいですね。この前、地元の子どもたちとワークショップしたら、全部で何枚クイズとかやってすごく盛り上がりました」と教えてくれました。この作品の楽しかったところは、一度に全部を捉えることができないというところです。寄れば死角は増えるし、離れれば小さいものを見落とすし、結局どちらもやるしかないのだなと思いました。私に思い切りさえあれば係りの人と写真何枚あるでしょうクイズに取り組んだところですが、ないのが私なので静かにお礼を言って建物を出ました。

さて、展示を見終わりました。ミッションを達成してちょっとゆったりした気持ちになりました。

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寒いなぁ。おなかすいたなぁ。MAPにあったカレーラーメン食べたいなぁ。店を目指して歩きます。寒いなぁ。パーカーのフードと上着のフードの二枚のフードを被って歩きます。二軒ほどカレーラーメンが食べられる店の前まで行きましたが、あいていませんでした。残念。あと寒い。寒いよ。

冷え切ってしまったので明かりがついていた「しゃにむに」というご飯屋さんに入りました。カレーの口になっていたので「鉄板かれーぽりたん」を頼みました。同じページに「鉄板どろぽりたん」もあったのですが、怖すぎる名前だったのでやめました(ソース味のナポリタンだったようです)。「かれーぽりたん」は鉄板にカレー味で太麺のパスタが乗っている食べ物です。山盛りだし茶色いしで迫力はすごかったけれど優しい味でした。あったかいコーヒーも飲みました。ごちそうさまでした。

「どろぽりたん」ってかわいいどろぼうたちが集う街みたいだな!!!!

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札幌につながる道

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駅に向かって歩きました。

電車に乗って東室蘭駅に。

ホテルに到着です。

机に向かうと壁一面の鏡と向き合うことになる部屋でふりかえりタイムです。

・文学館と民族資料館に行けなかったなあ。家出るの遅かったなあ。
・カレーラーメンどんな味なんだろう。
・「室工」はあの街にあるべくしてあるんだなあ。
・さみしさがあったな。これはいいとか悪いとかではなく。今はやっていない喫茶店の錆びたシャッターをたくさん見た。元から、ない、ことよりも、あったものがない、ほうがさみしい感じがする。このさみしい、がプラスの意味もマイナスの意味も持たない状態で伝わってくれたらうれしい。
・ホテルのベッドでtwitterいじってたらこんなチームを見つけた。室蘭のクリエイティブクルー?同じ地域に住む人の何かをつくる集まり、わくわくする。

という感じで眠りました。

ホテルの窓からみえた

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メガドンキ



以上、うえまきの室蘭レポートでした。まだ歩けてない場所だらけ!!

次は白老文化芸術共創のレポートを書きたいと思っています。できるか、できるのか私!!!


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