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「道路脇のねこじゃらし」に母国を想う

こんばんは、茉莉商店の寧々です。前回のnoteに少し書きましたが、上海から日本に居を移すタイミングに悩んでいた当時、「静岡短期移住」は、日本帰国の意思を固める決定打となりました。

華村さんがこちらのnoteで触れてくださってます。

私が上海に住んでいた頃は、特に曇り空が多かったこともあり、ことさら「抜けるような青空」を渇望していました。今は青空が増えてきたと伝え聞くので、その点は良かったと思います。

そして中国在住者に限らず、在外邦人が口を揃えて言うのが「日本のコンビニは神の領域」です。帰国から3年経った今でも、日本のコンビニありがてぇ…と、ことあるごとに感謝しています。(今日も用意忘れたお弁当のおかずを夜中に買いに行きました)

さて、青空とコンビニ以外にも、日本に住むことを決めた理由があります。
教育や、生活まわりなど、そういった条件面ではなくもっと「直感的」なものです。

静岡県に短期移住中、子どもたちと夕暮れの国道沿いを歩いた時のこと。

▲静岡県三島市の国道沿い

空が広くて広くて。とんでもなく美しかったのです。
ひんやりと風が心地よく、いつもはすぐ「疲れた~」という子どもたちも、随分と長い距離を楽しそうに歩いていました。

そして道路脇のねこじゃらしに、不思議な安堵感を覚えました。
「あぁ、母国にいるんだな。」と心から思えるのです。

上海で子どもが生まれてから、手をつないで散歩する時、目線が低くなり、いつの間にか地面を眺める時間が増えていました。

最初は違いを楽しむようにしていたものの、「なんだか、草花が違うな…」と違和感を持つようになり、次第に「自分が子どもの頃に見たあの草花を、見せてあげたいな」「日本にいる虫や鳥を教えてあげたいな」と、植生の違いを通して、郷里への想いがどんどん膨れ上がっていったのです

この感覚は、子どもを持つ前にはないものでした。
まさか、道路脇のねこじゃらしに郷愁を覚えるとは…。
子どもを母国で育てたいという想いの底には、無意識レベルの帰巣本能的な部分もあるのかもしれません。

すすきを手に持ち、夕暮れの沿道をはしゃいで歩く子どもたちの後ろ姿を見た瞬間、「日本に帰ろう」という気持ちが固まったのです。
これは直感的にスーッと降りてきた感覚です。

この短期移住が、迷いを全て消してくれたので、決行して本当に良かったと思います。縁もゆかりもない三島が、第三の故郷のように心に残っています。

たかが植生の違いも、積み重なれば大きい。
何か日常的に感じているささいな違和感があれば、何かのサインかもしれません。自分の気持ちに向き合う時間を取ってみてください。

それではまた。

茉莉商店・寧々

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