ピエロのマーロウ

ピエロのマーロウ みんなの笑いもの
顔の右半分には 醜い赤いあざ
醜い顔のせいで 親にも捨てられて
サーカスに売り飛ばされた

ピエロのマーロウ みんなの嫌われ者
あまりに醜いその顔のせいで
お友達も一人もいない
いつも ひとりぼっち

ピエロのマーロウ
いつも泣いている
月を眺めて こうつぶやく
ああ このあざさえなければ
僕は もっと幸せになれたのに

ピエロのマーロウ
俯き加減で 街を歩く
街角に花売りの少女
マーロウは ひとめぼれ

花売りの少女
かわいそうな女の子
生れながらに目が見えず
そのせいで 親から捨てられた
花売りに買われ 街角で花を売っている

花はいりませんか 花はいりませんか

ピエロのマーロウ
勇気を出して 少女に声をかける

花を一輪 売ってもらえませんか

柔らかなマーロウの手
優しいマーロウの心が宿る

花売りの少女
柔らかな手にふれる
そして こう語り掛ける

柔らかい手でらっしゃるのね
心の優しさが伝わってきます
きっとあなたは素晴らしい方でらっしゃるのでしょうね

ピエロのマーロウと花一輪
優しい心の花一輪
見えない眼で少女が見たものは
本物のマーロウの姿
優しく 大きな マーロウの姿

生きる事はつらい事ですか
そんなときもあるでしょう

でも きっと
あなたの為に一輪の花が
そっと咲いているのです
きっと きっと
その一輪の花に出会うまで
前を向いて生きてください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?