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《プロローグ》

※これは、2014年5月28日に生まれた、美琴1歳10カ月時点での記載です。当時書いた文章のため、医療の情報は古いままです。現時点では、さらに治療等も進んでいるのだろうと思います。


美琴は、やっと生まれた待望の第二子です。
7歳離れたお姉ちゃんがおり、みんなから祝福されてこの世に誕生しました。
今、美琴は、JMML(正式名称は若年性骨髄単球性白血病)を患っています。そして、さらに左の心臓では血液の逆流が起こっており(いわゆる心不全)、脳の血管が狭く、もやもや病の症状も現れています。いずれも、JMMLが根源となっているようです。

JMMLと聞いてピンと来る方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか。
それほど珍しい、難病です。
血液中に、未熟な細胞が増え、異常な赤血球や血小板が増えてしまう病気です。完治するためには、骨髄移植しか方法はありません。
そんな病気と今、美琴は闘っています。
病気についての経過は、その都度、記載していこうと思っていますが、まずは、病気が見つかるまでを記します。

私は、以前に子宮の病気を患い、円錐切除を行った経緯があります。また高齢出産の部類に入る年齢だったこともあり、都心部にある大学病院で美琴を出産しました。
出産翌日から、黄疸が強く出てGCU入り。約2週間、GCUで過ごし、退院してきました。
退院直前、心雑音が見つかりました。心臓の経過観察が必要ながらも、よく飲み、よく寝て、本当に手のかからない赤ちゃんでした。

生後6ヶ月になる2014年11月。
GCUで見つかった心雑音=肺動脈弁上狭窄のため、心臓カテーテルの手術を受けることになりました。その際に行った血液検査で、白血球が異常な数値を示していたことから、血液の専門の医師の診察も仰ぐことになりました。

2015年2月。
心臓カテーテル手術後の経過は良好でしたが、血液の数値がおかしいということで、医師から骨髄検査を言い渡されました。
入院し、骨髄検査を行った結果、病院の医師からは「ほぼJMMLであろう」という診断が下りました。「ほぼ」というのは、この病気が非常に珍しいものであることから、「中央診断」という方法をもってして、確定するからです。
そして、約一ヶ月後。
JMMLが確定しました。

現在は、ロイケリンという抗がん剤を毎日服用して、白血球の数をコントロールしながら、自宅療養を続けています。
JMMLを根治するためには骨髄移植が必要ですが、美琴は心不全も患っているため、移植に耐えられる体を持っていません。
骨髄移植をする前には、大量の抗がん剤を投与する必要がありますが、そうすると心不全を起こしてしまうからです。
では、心臓の手術をしたら…と医師も考えたようですが、かなりのリスクがあるわりには効果が望めないという心臓外科医の診断があり、現状では飲み薬で経過観察をする方法をとっています。

JMMLは、遺伝子が異常を起こしたことからなる病気です。
この遺伝子の異常には、いくつかのパターンがあり、どの遺伝子が異常を起こしているかによって、経過が変わると言われています。
美琴は、CBLという遺伝子の変異であるということがわかっています。
このCBLの場合、良好な経過が見られる場合には、移植をとらないことも多いと言われています。
比較的良好な型で、自然治癒の可能性もあります。
私たちは今、数値が良好な方向に向かうことを信じて、ロイケリンを服用しながら、日々を送っているのです。
もちろん、美琴の場合には、JMMLの状況に応じて、脳や心臓の手術を行う必要もあります。

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