一時帰国から帰る

実質3日だけ日本に一時帰国して、さっきモスクワに帰ってきた。帰るとはいうが、自分がロシアに向けて帰るべき人間なのか、日本に向けて帰るべき人間なのか、よくわからないことになってきた。「一時帰国から帰る」というのも、吟味してみれば倒錯した文である。帰った先からもう一度どこかに帰るわけだから。当分はこういう生活が続きます。

帰りの飛行機がめちゃめちゃ空いていて、半径3メートルくらいに誰もいないような状況だった。暴れようと思えば暴れられるような空間の余裕がある。お前ら、おれの破壊衝動が薄い時期で助かったな。
そんなわけで、真ん中の四列の座席を全て占有して寝転がることができた。実は日本行きの便でも同じようなシチュエーションに恵まれて、そのおかげで日本滞在中にあまり時差ぼけすることがなかった。前回も今回もチェックインの時に空いている列の内側を選んだりして、半ば狙ったところはあるけれど、やはり嬉しいものですね、狙い通りに行くと…。(あえて中途半端な席を選ぶことで、片側の通路側は空きがちになる。隣に人がいる席をわざわざ選んでチェックインすることは少ないだろうという読みです。)

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モスクワから日本に往復する直行便は、現状アエロフロートとJALが運行している(今度ANAも開通するらしい)。以前は二つのオプションから任意でどちらかを選ぶことが多かったのだが、最近はもっぱらJAL便を使っている。理由は以下の二つ。
・モスクワから買うとなぜかJALのほうが安いことが多い
・JALのほうが機材や機内食が良質
アエロフロートももちろん悪くないし、モスクワ行きの便に乗る時なんかはロシアに向かいつつ自分の中でロシア・スイッチ(的なもの)を入れることができて、その点で言うとむしろとても良い。ただ、最近使用機材がエアバスからボーイングに変わり、心なしか座席の座り心地と座席の空間が狭くなったような気がするのが残念だ(気のせいかもしれない)。そんなこんなで最近はJALを使う日々です。

飛行機の中で寝ぼけなまこでSIMカードを入れ替えたら、日本で使っているSIMをなくしかけた。結局座席の隙間に挟まっているのを見つけて事なきを得たが、本当に心臓に悪い体験をした。寝ぼけなまこで貴重品を扱うのは良くないですね。

何度も書いているような気がするが、今冬のモスクワは桁外れの暖冬で、普段は-20℃くらいになりがちな2月でも、気温が氷点下まで下がらない日々が続いた。3月になっても状況は変わらず、なんと成田出発時とモスクワ到着時の気温が同じ(+8℃)だった。これから一体この街の天気はどうなってしまうのか。雪はもう降らないのか。せっかくとてもよいスノーブーツが家にあるというのに、履かないままワンシーズンが終わってしまう。まさしく文字通り宝の持ち腐れ……。このスノーブーツを履くためだけにヤクーツク(今の季節-30℃くらいになる)まで行こうかな……。

眠すぎて晩御飯食べた後今の今まで4時間くらい中途半端に寝てしまった……。こういうのが時差ボケ解消に良くないのである。

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