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飼い猫と元夫。

ひとり暮らしには
溺愛の猫も居るし、なんだかんだ
一人と一匹で自由に過ごせてそこそこ楽しんでいる。

ひとりで居ることにも
元々ひとりでいろんなところに行くのは好きだし、
気楽に過ごせるタイプだから慣れた。

彼が居ないことにも、彼が他人なことにも慣れた。
他人として上手く接して一緒に仕事もできるようになった。

うん。慣れたんだ。
なんだかんだ今までの人生のこともあるし、
わたし自身は強くて、順応は早かった。
自分の中で上手く折り合いをつけて納得していくことができている。 

なくならないものなんてないと、
今までもこれからも知っていたから。

けど、頭では上手く処理できていても、
それが哀しいか哀しくないかで言ってしまえば、
彼が居ないことへの哀しみが消えるわけではない。

一生哀しいと思う。空いた穴は空っぽだとも思う。
彼が居なくなった人生は寂しいよ。

たった一人の家族いなくなっちゃった。 

それでも、誰も世界も立ち止まってはくれないからね。
自分のことは自分で守るしかないからね。
 


飼い猫は元夫にそんなに懐いてなかったから、
忘れているようだけれど、
ごくたまに元夫を探すようなそぶりを見たとき

「もうお父ちゃんはいないんだよ。」と
声に出して話しかける時がある。

飼い猫は「ふーん」という感じだけれど、
そういう時、わたしには少なからずダメージがくる。

猫より、犬派だった元夫。
仕事が忙しく家に一人にさせることが多いからと
わたしがずっと夢に見ていた猫と暮らすという
生活をプレゼントしてくれた。

飼っていると、猫がそんなに好きじゃない彼も
飼い猫だけは溺愛していた。

別れるときも、彼は
「⚪︎⚪︎と離れるのは本当に寂しいけど」
と、言ってわたしより猫と離れる方が寂しそうだった。

いつもはすぐ側にきて陣取る猫も
離婚の話し合いのときだけはいつも
空気を読んでどこか違う部屋に静かに潜んでいた。


動物も人を忘れることはないのだろうか。
それとも、すぐに忘れてしまうのだろうか。


これから先のことを考えると
なんだかよくわからない不安に襲われるから
最近は一日1日の自分を大事にして、それなりに
穏やかに暮らしてる。

ただ暮らす分には何も問題ない。
お金も普通に暮らす程度はあって、
仕事もあって、住む広い家もあって、
そこそこに会う友達もいて、今のところ
彼がいなくなったこと以外、何も変わらない。


のんびり暮らす猫を見ていると、
ただ生きるだけでいいんだよなぁとも思う。

こんな毎日。




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