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家族ってなんだろう

わたしは人に甘えたり頼ったり
人前で泣いたりするのも苦手な人間だから
強くも見られるのだけれど
本当はとてつもない涙腺の弱い泣き虫人間だ。

だからこそ、スーパーという落とし穴が
1番人前で思わず泣いてしまいそうになる場所でもある。

スーパーというのは、
生活の一部で自然と足を運ぶところだから
まさか身構えてもないし、頭の中は常に油断している。

そんなところで、ひょっこり彼の残像が
出てきてしまったことに気づいたときにはもう
おしまいだ。

わたしは元々独り身のときは、甘い梅干しが好きで
「はちみつ漬け」の梅干しを選んで買っていた。

けれど、元夫は甘い梅干しが苦手だといい、
二人で暮らすようになってからは我が家の梅干しは
「カツオ漬け」の梅干しになった。

自然とカツオ漬けの梅干しをカゴに入れてしまったあと、

「あ、もうこの味じゃなくていいんだった」
と、元の陳列に戻し、自分好みの味のものを
カゴに入れる。

この瞬間だよね。
もう、目頭が一瞬で熱くなって
危うく人前で、しかもスーパーで泣いてしまいそうになる
変なオバさんの出来上がり。

当然、堪えるので泣かないのだけれど、
帰りの車では大号泣。気が済むまで泣く。

滑稽だよね。

でも、食べるものって生活に直結してて
自然と家族だからこそ共有する部分が大きくて
何気ないその瞬間に気づいたとき
喉がきゅーっと狭くなっていって苦しくなった。


「家族」ってなんなんだろうな。
恋人と別れたあとみたいな幼い激烈な高低差は
ないのだけれど、

何より大切で特別なひとだったから。
家族だったから。

自分が半分になったみたいで、少し怖いや。


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