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緊張すると。


舞台の本番直前の音楽がかかった頃、番組収録前の出演者の方が集まったスタジオ、ロケ前の準備の時間、このお仕事をしていると緊張感に支配される瞬間は多々ある。


私は小さい頃、個人競技のスポーツを多くやっていた。
器械体操にフィギュアスケート、バレエ。
1人で演技をする場所やスケートリンクに立つ瞬間の緊張感と今お仕事で感じている感覚がとても似ている。

緊張しやすい方だと思うが、私はそれがとても好きだったりする。
緊張感を感じ始めると、体のあらゆる場所ががミシミシする。
心臓が速くなって、息が上がってくる。
息が上がると声がうわずったり、言葉が言いづらくなるので一生懸命深呼吸をする。


深く深く呼吸を繰り返していると、不思議と落ち着いてくる。
今までやってきたことや考えてきたことを頭の中で反芻しながら、ステージに出てしまえば後は感覚のまま動くだけ。

その状態にまでしておくことが練習だったり、稽古だったりの意味であると思っている。

私の中で、緊張を物理的に落ち着かせる方法はもう一つあって、心臓の辺りか太もものあたりをバシバシ叩く。
体育会系なアタック方法かもしれないが、意外と効く。

体にとにかく刺激を与えて、脳みそに気合を入れてもらうイメージ。


以前舞台の共演者に言われて気がついたが、舞台袖で自分の出番を待っている間私は自分の心臓あたりをバシバシ叩きながら、

「大丈夫だよ、私はできるよ。」
とつぶやいていた。

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