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良くも悪くも図々しい

あなた、図々しいんじゃなくてよ?

最近、ちょくちょく会う人がいる。年齢は近いので多少は話は合う。

その人に対して、時々本当に図々しいなと思うことがある。

なんの対価もなしに、甘い蜜を吸おうとするところが癪に障るのである。


その人は大学生ではないけれど、資格のために私の大学の施設を使って勉強しているという。私がとっている授業に潜らせてくれないか、と言われたので一コマだけ紹介した。それからというもの、ちょくちょく大学の施設やサービスを利用させてくれという要望が増えてきた。

最初は久しぶりに会う人なので、また交流できて嬉しいなと思っていたが、最近は図々しいなと思うようになってきた。

堅苦しいことを言うつもりはないけれど、この大学の学生が授業料を払っているのだから、私たちには施設やサービスを享受する権利はある。しかし、その権利を彼に譲渡する理由はないのである。

もし、他の大学の学生だったならそこまで気にはならないが、その人は大学生でもない。ましてや、仲の良い友達でもない。

よく考えると、大学のあれこれ以外でも、私の何かが掠め取られているような感覚になることがよくあるなと気が付くようになった。彼が意図しているとは思わないけれど、こちらがそのように感じてしまう時点で相性が悪いんだろう。

だから少し距離を置きたいなと思うこの頃だ。

本当は、こんなことを思いたくもない。

もしかしたら、自分の心が狭いのかもしれないし、相手に対して不寛容なのかもしれない。

ただ、この出来事は自分と態度を振り返るきっかけとなった。

なぜなら他者が自分に向ける態度は、どこかで私が他の誰かに向けていた態度の因果応報なのだとも考えられるからである。

それで思い出したことがあった。

ずいぶん前。高校のクラスに、いつも愛想が良くて、人に与えるのを惜しまないような人の良い子がいた。その彼女は、いつも髪の毛をアレンジしており、人の髪の毛をアレンジするのも得意としていた。

私は彼女とあまり話すことはなかったけれど、私もアレンジして欲しいという思いだけで近づいたことがあった。仲良くしたい気持ちではなく、ただその技術の恩恵を受けたいという下心。きっと、その邪な気持ちは彼女に伝わっていたし、今でも自分の節操なさを思い出して恥じ入る時がある。

それ以降、人に与えることなしに、ただ搾取するようなことはしないようにしようと心に誓っていた。

今、彼が私に向けている態度は、きっと自分が彼女に向けた態度の罰だろう。

改めて、人のふり見て我がふり直し、因果応報を肝に銘じた出来事だった。






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