お嬢ちゃん、カレーあげるからちょっとこっちおいで
※別のブログに載せたものの加筆修正&再掲です
これは、去年のゴールデンウィークのお話です。5月初旬、試験もなく課題も忙しくなく、暇を持て余していた私はとにかく毎日遊んでいました。旅行も行ったし友達を家に呼んだり友達と遊びに行ったりもしました。中でも一番印象に残っているのは、小学校の頃の友人とご飯に行ったことです。友人とは小学校のみが一緒で中学に入ってからは全く別の道を歩んできたのですが、卒業してから毎年2,3回、長期休みやゴールデンウィークの度に会うというちょっと頻度高めな織姫と彦星のようなことをし続け早8年目。世の中で言う幼なじみとは幼稚園から小中学校くらいまでを一緒に過ごした人のことを指すみたいですが、これだけ会っていたらもう四捨五入で幼なじみってことでいいんじゃないでしょうか。
そんな友人と私は5月某日、今年に入って二度目の逢瀬を果たし、焼肉を食べながら話に花を咲かせました。会話の中で、「そういえばお互い誕生日プレゼント渡してないよね」という話題に。最後に会ったのが1月で、私の誕生日が2月、友人の誕生日が4月。せっかくだからこのあと選びに行こうか、と我々は食事を済ませた後アリオ(たまたま近かった)に向かうことにしました。
優柔不断な私たちは、ロフトや服屋や雑貨屋をハシゴしモール内をぐるぐるぐるぐると周ります。そんなことをしているうちに、私はとある人物に遭遇しました。
「キャンペーンやってまーすいかがですかー」
ティッシュ配りのお兄さんです。目の前に差し出されるティッシュ。私は何の気なしに会釈をしてそのティッシュを手に取りました。次の瞬間です。
「ありがとうございます!今ティッシュ貰ってくれた方にカレープレゼントしてるんです!好きなもの持っていきませんか!?あと無料でクジも引けますよ!どうですか!」
水を得た魚のように元気に喋り出すお兄さん。
「え、あ……いや大丈b」
「カレーだけでも!無料でプレゼントしてるんで!この中から好きなの持ってってください!どうぞ選んで頂いて!」
ものすごい圧に押されてレトルトカレーの山の前に案内された私は、おずおずとひとつ選んで手に取ります。
「あ、ありがとうございまs」
「あと!良かったら今アンケート取ってて!指さしアンケートですので!ほんと1分で終わります!このカレー作るより短い時間で終わるので!!」
「え、あ、いや」
「お願いします!どうかほんとすぐなんで!」
「あ、う……はい……」
この辺りで友人は巻き添えを喰らうのを避けてどっかに行ってしまいました。一人取り残された私は椅子と長机のあるスペースへと連行され、別のニコニコしたお兄さんの前に座らされます。
「こんにちは〜ありがとうございますほんとすぐ終わるのでアンケートだけさせてください〜」
そんな笑顔には騙されませんよ。私は『秘技・ワカリマセン』を使ってとにかく時間が過ぎるのを待ちました。
「今ご自分の携帯料金どれくらいか分かりますか〜?」
「ワカリマセン……」
「携帯代高いなーとか思ったことないですか〜?」
「ワカリマセン……」
「えっと……どこの会社の契約してるかとか分かりますか?」
「ワカリマセン……」(auです)
「スマホの機種とかは……」
「ワカリマセン……」(iPhoneです)
「親御さんが払ってる感じですか?」
(さすがにこれは)「ハイ……」
「あ、学生さんですか?大学生とか」
(これもさすがに)「ハイ……」
「そうなんですね〜じゃあきっと近いうちに自分で払うようになりますかね?」
「ドウデスカネ……シバラクハナイカト」
「そうですか〜じゃあご自分で払われるようになった際はぜひ!」
「アリガトウゴザイマシタ……」
「こちらこそ〜お時間お取りしてすみません」
ぺこりと頭を下げて足早にその場を去りました。友人は少し離れたところでスマホいじって待っててくれました。
私が戻ってきたのを見ると友人は半笑いで、「なんでああいうの貰っちゃうんだよw」と。
だって仕方ないじゃないですか。ティッシュ配り=貰うものという認識が私の中で固定されていたんですもの。
街中でティッシュ配ってる人、よくいるじゃないですか。ああいうのって多分ノルマがあるんでしょう。私はティッシュを貰えるし、配る人はティッシュを減らせてwin-winじゃないですか。なので私は基本的にティッシュは受け取ります。受け取ってスっと流れるように通り過ぎます。
でも今回の場合は、「無料でカレーを渡しています」というワンクッションを挟むことでティッシュを貰う人の『足を止める』ことに成功しているわけです。通り過ぎることができない。カレーを手にした時点で私はもう罠にハマっていたんです……。
後学の為に、私は他の友人にも聞きました。かくかくしかじかこんなことがあってね、みんなはティッシュ配りのティッシュ貰う?と。
「ティッシュは貰うけど勧誘っぽい雰囲気なら貰わないよ」
だそうです。その雰囲気を見極められるようにならないとダメですね。
あと私は居酒屋とかカラオケのキャッチ?引き込み?も苦手で、さすがについて行きはしないのですが、
「カラオケいかがですか〜お姉さん、どうですか?カラオケ」
と言われると
「あ、大丈夫ですすみません……ありがとうございます」
と答えてーーいる間に一緒に歩いていた友人たちはスタスタと先を行っているんですね。
慌てて会釈して追いかけると、
「ああいうのは無視しないとダメなんだよ」
と。その無視ができないというか、癖で反射的に返事しちゃうんですね。別に何もすみませんじゃないしお礼を言う筋合いもないってのに。こんな感じじゃきっと東京とか大都会じゃ生きていけない……とはいえ向こうもお仕事で立ちっぱなしで頑張ってやられてるわけだしなぁ……なんてことを思ったり。
皆さんはティッシュ配りや勧誘、キャッチをどうやって断りますか?よければ教えてください。
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