池間ふゆ

こころに残るそんな小説を書きます。

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最近の記事

テトラポッドにうちひしがりて

あれから、僕は3秒で寝た。どこかの漫画の主人公だ。似ている点とすれば、少し勉強ができないぐらいだ。 友達もできるし、多少はモテていた。あいつはそれに比べて貧相なもんだ。普通の人間ができることはできない。何か問題に直面してはすぐにロボットに助けを求める。 そんなあいつを僕は嫌いだった。誰かに縋り付いて生きていくのであれば、尻をだして踊っていたほうがいいと思っている。 右手がいたい。目が覚めた。寝ていた時に風景と違う。ベットから落ちていた。掛け布団は僕と一緒に落ちてはくれな

    • ラムネごしの景色

      山が紅葉してきたある日 僕は大学へ向かっていた。僕はいつも、電車で大学に通っている。 今日も、ホームは人であふりかえっている。この人混みの中にいる時間が一番憂鬱な時間だ。僕は少しばかり人よりも鼻がいい。そのせいで、においに敏感だ。特に中年のおっさんのにおいや無駄に香水の匂いがする人が大っ嫌いだ。 いつもと同じように改札を通って、8時発の電車に乗り込んだ。電車の中はホームより密集している。 体から発せられる蒸気が行き場を失い。蒸し暑くなっている。僕は汗をかいた。額から顎

      • 護る

        最近、玄関の広間で寝ている。 とても涼しいので落ち着ける。 風もよく通り、木目の床もヒンヤリとしている。 僕はよくここで考え事をしている。 すぐ、色々な考えがでてくるわけではない。逆に眠くなってしまう。 20分考えてたら、40分は寝てるぐらいだ。 最近は自然について考えていた。 僕たちを一番恐怖に晒すのは自然だと思う。 死を一瞬で感じさせるからだ。 だが、自然は僕たちに死を感じさせる前に死よりも美を感じさせてくれる。 そのギャップに僕たちは萌えているのでないのか

        • ラムネ越しの君

          35度をこえる猛暑日。 期末テストで赤点を取った僕は、補習を受けるために学校に行った。赤点を取った自分が悪いのはわかっているけど、嫌気がさしてままならない。 テスト前に約束していた男友達たちも裏切って、補習に知り合いはいない。補習が始まる前からこんな気になるなんて思いもしていなかった。こんなにちゃんと勉強しておけばいいとおもったのは久しぶりだった。 気を紛らわすために、いつもと違う道で向かった。ついでに珍しく駄菓子屋があったので、冷たいラムネを買った。 ♢ だらだら