部屋と部屋をつなぐ:Bruno Major - To Let A Good Thing Die(2/10)
今日もそれほどボリュームの大きい作業はなく、毎日行うルーティンワークをこなしていた。途中で問題対応のための情報収集作業を依頼された以外は特に変わったことはなかった。昨日の過ごし方があまりよくなかったので、空いた時間は音楽を聴いていた。特にストレスもなく一日の業務は終わった。
それにしても資産管理やバージョン管理は難しい。時代が進むにつれて管理するための技術が進み、同時にそれを適切に運用するための見識を持った人も知見も増えているはずなのに、これらの業務負荷は15年前とそれほど変わっていない気がする。世の中から要求されることが複雑になり、それに合わせて組織も複雑化している。そのために運用管理に必要な技術も複雑になるが、それ以上に管理するべき現状が複雑になっているのだろう。月並みな言い方になるが、IT業界の多くの現場はシステムに使われている感覚が抜けないのではないか。
Bruno Major - To Let A Good Thing Die
2020年にリリースされて何人もの評論家が絶賛し、そして私の周りで聴いた人も褒めることしかしていない、そんなイメージを抱いていた一枚。実はリリースされてからすぐにAppleMusicのライブラリに登録しており、仕事の昼休み中にオフィスで聴いていたけど、あまり耳に残らなかった。とは言え全体のイメージはボンヤリと残っていた。それを思い出すと在宅勤務の午前中に聴くのに良さそうなイメージだったので、実際に聞きながら仕事をしてみるとイメージ通りだった。
全編を通してベッドルームで演奏しているような雰囲気の本作は、音がうるさくなく、かと言って眠くなるほどの静けさでもない。演奏も歌もちょうどいいバランスで録音されているところがいい。演奏はこちらに寄り添うような温かさと優しさを感じさせるが緩さはない。ステイ・ホームが言われ続けている昨年から今にかけて聴くと、ブルーノ・メジャーの音楽を通して見知らぬ誰かと私が、一人で部屋にこもって作業をしていることの寂しさを共有できるのではないかとさえ思わせる力を持っている。バラバラに散らばっている部屋と部屋をつなぐハブ、この音楽はそんな機能を果たしているのではないだろうか。もちろんそれは幻想かもしれない。しかしネット上で彼の音楽をカヴァーしている人たちが多いという話を読んでいると、私が抱いた感覚はそれほど的外れでもない気がしてならない。
それと何曲かでリズムの作り方にジェイムス・ブレイクの影響を感じるところがあった。ジェイムス・ブレイクの名前が世界に知れ渡ったのが2011年。新しいシンガー・ソングライターの在り方を示してから10年経つけれども、まだ影響力が続いていることは凄いことだ。
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