ホテル療養に向けて:1/11
療養中と言っても会社関係の人たちや両親に連絡を入れなくてはならないので、この日から普段通勤しているときと同じ時間に起きるようにした。体温は平熱に戻っている。起きてからすぐにバナナを食べたが、何も感じることはなかった。味と匂いが戻っていないことがわかると残念な気持ちになる。仕事の関係の電話が入ってくるのに加えて、9時過ぎになると保健所から連絡が入ってきた。健康状態の確認が目的だと電話口の職員は言った。その電話でホテル療養に移る日はいつなのかを確認した。エントリーはしたがまだホテルに空きがないということだった。ホテル療養について私はいくつか質問をした。以下にまとめるが、これはあくまで私の場合であることは強く言っておく。実際にはご自身が保健所をはじめとした関係者とお話した内容に従ってください。
ホテルの場所
私は東京に住んでいるので、東京都内となった。
ホテル療養の期間
発症してから十日間。私の場合、1/6に発症しているので1/16の午前中にホテルをチェックアウトすることになる。
ホテル療養の延長はあるのか
熱がなく、咳や呼吸困難な状況がなければ延長はなし。ただし退所前に症状が悪化していれば療養期間の延長もしくは入院措置への変更となることはありうる。その判断はホテルに常駐している医師による。
退所時にPCR検査は行われるのか
行われない。PCR検査は検査は体内に残ったウイルスの死骸を検知してしまう。検知したウイルスが生きているか死んでいるかは判定できない。そのようなPCR検査の仕様で偽陽性となる可能性が高いため、PCR検査の結果で以て退所の可否判定はしないことになっている。
食事について
毎日三食提供される。間食は提供されないので、持ち込みが許されている。差し入れについては濃厚接触者でなければ可能。ただし面会は不可。
洗濯について
洗濯機はない。洗う場合は洗面所で手洗いする必要がある。
アメニティについて
一般的なホテルにあるものと同じものがあると想定してもらえれば、とのことだった。ただしタオル類は自分で持っていく必要がある。
Wi-Fiネットワーク
ホテルのWi-Fiが利用できる。
入居可能の連絡について
入居可能となった当日の朝に連絡が入る。朝に連絡が入ってその日の午後に移動する。ホテルには都の車で移動する。ドライバーが家の前まで迎えに来る。
ホテルについての話が終わった後は特にやることもなくなってしまった。外にも出られないのでLP を何枚か聴いた。こんなときでも音楽はいいものだ。束の間とはいえ不安を少し和らげてくれる。洗濯機を回し、食器を洗った。味も香りもわからないがコーヒーを入れた。これも不思議なもので、ただ水だけを飲んでいても満足はできない。飲みたいと思うものを自分で選ぶ、そんな当たり前の事こそが私の心を満たすのだ。ただしこの日の夕飯は両親に差し入れてもらった菓子パンだけの雑なものになってしまった。自宅療養だと買物にも行けないから、どうしても食事が雑になる。その点でもホテル療養に切り替えてよかったのかもしれない。
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