泣いても笑っても過去は過去
もし今でも彼と毎日を過ごせたなら、と考えることがある。一緒に通った通学路、一緒に歌ったあの歌、一緒に写ったあの写真、全てが僕の記憶には刻み込まれていて、それらに触れた瞬間、その記憶は想起される。
目を覚ますと朝7時を少し過ぎていた。毎晩、目覚ましを設定して寝ているのに、いつもアラームが鳴っている事すら気づかずに毎日寝坊。しばらく細い目で天井を眺めたあと、下で眠っている妹を起こさないように起き上がり、そっと2段ベッドの梯子を降りる。
階段を踏み外さないように1段ずつ降りると