「残り香」

部屋に残ったふたりの淡い影は
あとどれくらいの時間が
思い出に変えてくれるの？

「仕方ない」と割り切った笑顔
寂しい心は呑み込んだつもり
あなたの服に残した残り香
消えてないかな？

夜が更けて
傷口数えて
飽きる
残った
空っぽの部屋
空っぽのわたし
あなたの歌
昨日に解けていく
ふたりは解けていく
「結ぶ愛も無いな。ここには。」って
耳元で聞こえる知らない声__________________________________

誰かを好きになる条件って何でしょうか？
その人の外見とか雰囲気とか、優しいところとか冷たいところとか、多分そのほとんどは直感的なものだと思います。

匂いも感覚的に感じるものです。
好きになる人って何となくいい匂いがするものじゃないですか？

この曲は、友達からエピソードトークを貰って書きました。(以後、Kちゃんとします。)

Kちゃんには長い間お付き合いしていた方がいました。
「ずっと一緒に居たい。」なんて何度口にしたことでしょう。
ある日、恋人はKちゃんの親友とも関係を持ってしまいました。
それはKちゃんにとって、許せないことでありました。

今できる最高の仕返しは何だろう？
彼がそうしたように、自分も彼以外の誰かと関係を持とうか…
Kちゃんにそんな考えはありませんでした。

Kちゃんの思う最高の仕返し。
その成果は、直ぐ目に見えるものではありません。

別れの日、彼の家に荷物を取りに行ったKちゃん。
彼との会話はほとんどありません。
Kちゃんは彼のベッドに、自分の香水を吹きかけました。
決して感情的にならないよう、丁寧に丁寧に吹きかけました。

最寄り駅まで帰ってきて、駅のごみ箱にその香水を捨てました。

Kちゃんはとても優しくて、とても可愛くて、いい匂いがします。
でも、Kちゃんの匂いは少し変わったような気がします。

この話からもう二年経ちます。
Kちゃんのアドレスには、たまに例の彼から連絡が来ているようです。
そして、隣には新しい恋人がいます。

「今はあの子と付き合いたいけど、結婚するならKちゃんみたいな人がいい」

そんな情けない事を言う彼に、未練なんてありません。多分…。_______________________________________ 

PS、この曲は丸の内サディスティックのコード進行で弾くことができます！
キー変更などはご自由に！