【ミニコラム】前澤友作氏、宇宙へ
当初は短めの記事だったのですが、ミッションが進むごとに動画を追加したりしたので、そこそこ長くなってしまいました(^_^;)。結局、帰還までの動画まとめのようになってます。
億万長者の前澤友作氏が近々(=2021年12月8日)、ソユーズMS-20(Союз МС-20)で宇宙旅行とのこと。
日本時間(UTC+9)で16:38だそうです。
これは打ち上げ場所のバイコヌール基地があるカザフスタン共和国クズロルダ州の時間(UTC+5)で12:38、ロシアのモスクワ時間(UTC+3)だと10:38。
打ち上げのカウントにはモスクワ時間を使うものと思います。
同氏が宇宙へ行くという話は結構前から聞いていたように思いますが、ついに実現なんですね。まずは祝意を表したく思います。
さて、私のnoteにはこれまでも宇宙飛行士関連のコラムを(主に旧ソ連/ロシア関連で)何回か載せたりしていまして。
正直、前澤氏のフライトについてはロクすっぽ調べていないのですが、今回は速報というか、ごく軽い当座のメモ代わりに書いています。
今回のフライトは概ね秋山豊寛さんと同じようなミッションに見えますが、あの時の行き先は旧ソ連の「ミール」だったのに対し、今回の行き先はISSであるのが一番の違いでしょうか? もちろん細かい部分ではいろいろ違いも進歩もあるでしょうが。
ロスコスモス(Роскосмос)の公式動画でなんと日本語通訳付きの記者会見とかありました。それを含めていろいろ動画がありましたのでご紹介します。この先も «Союз МС-20» で検索すると面白い動画が見つかったりするかも。
記者会見(日本語通訳付き)
バイコヌール到着(訓練センターの専用機「ユーリ・ガガーリン号」にて)
宇宙船への試乗など
【以下は記事UP後に追加の動画】
センター内を見て回る
ロケットの移送準備
ロケットの移送
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さらに追加。
前澤さん搭乗のMS-20は無事打ち上げに成功しました(^_^)。
次の動画は、打ち上げの瞬間を捉えた各方面からの映像を「ただ並べてみました」という、実にマニアの心を揺さぶるコンピレーションです(T_T)(笑)。
次の動画はTBS配信のものですが。NASA経由でなく、一次ソースであるロスコスモスから直に提供を受けているっぽいところに好感が持てます。
ひょっとして秋山豊寛さんの特番制作以来の繋がりが未だにあって、それだからこういう芸当ができたりするのかも?……などと妄想が捗ります。
(打ち上げのあたりに時間指定しました。)
……ところで、ロシアの宇宙船の打ち上げ動画とかを見ていると、リフトオフ前後でだいたい決まったやりとりをしていることに気づきます。
具体的になんと言っているのか少々気になっていたのですが、今回試しに検索したら、ロシア語版Wikipediaにちゃんと、それらしき記事がありました。
«Циклограмма пуска» ……打ち上げ開始の段取り表、とでも訳すんでしょうか。
以下、一部を抜き出してみます。
(訳はただの機械翻訳なので間違っているかもしれません。)
Пуск(プスク)「開始、スタート」
— начинается подача компонентов топлива в двигательную установку.
- 推進系への燃料成分の供給が始まる。
Зажигание(ザジガーニエ)「点火」
— воспламенение топлива в камерах сгорания.
- 燃焼室での燃料の着火。
Предварительная, промежуточная, главная, подъём(プレドヴァリーチェリナヤ,プロメジュートチナヤ,グラーヴナヤ,パドヨーム)「予備,中間,メイン,リフティング」
— этапы набора тяги двигательной установки.
- 推進系の推力セットの段階。
話は前後しますが、上の動画では「一段目」(あるいはブースター)の切り離しも大変綺麗に捉えられています。
3時間32分30秒あたり。
これには『コロリョフの十字架』というあだ名がついているそうです。
(コロリョフは旧ソ連のロケット開発の立役者となった天才エンジニア。)
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ISSへのドッキング
前澤さん搭乗のソユーズ宇宙船が徐々にISSへと接近(19:40あたりから)。とても鮮明に捉えられています。映像としても大変に美しく、却って作り物っぽく見えてしまうほど(笑)。
ISSへの移乗は3時間11分あたりです。
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現地(?)での活動については、次のNHKのインタビュー(動画と記事)だけ載せておきます。動画(上)は普通にタッチすると別画面で再生が始まると思います。
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さらに追加。前澤さん無事帰還。
帰還時には行きとは違う、一つ前の宇宙船に乗って帰るというのがよくあるパターンなのですが。どうも今回は行き帰りどちらもMS-20 (МС-20) に搭乗のようですね。
ハッチクローズ(時間指定入り)
ISSからの分離(時間指定入り)
帰還カプセルの回収(現地が映るあたりに時間指定)
前澤さんが出てくるのは1時間1分目のあたりです。
同じく回収の動画。こっちは前澤さんが出てくるあたりに時間指定。
帰還後の記者会見(日本語通訳付き)
《私の宇宙》:宇宙飛行参加者 前澤友作氏のポートレート
……と題したロシア側のまとめ動画。
ロシア語ですが、時々漏れ聞こえる日本語などから、おおよその内容は察せられる感じです。
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ここからは、おまけです。
その1。しばらく前にTBSが秋山豊寛氏のフライトのまとめ動画をUPしていたのを見つけましたので。比較用に。
その1.5。前澤氏の飛行との関連で、秋山氏と科学技術庁(当時)の官僚主義についても触れたりしている興味深い記事。
その2。前澤氏とほぼ同じことを目指していたのに健康診断でハネられて断念することになった悲運の実業家、元ライブドア社・榎本大輔氏の関連記事。
その3。やはり宇宙に行けずじまいだった(少なくとも今のところ……)芸術家の高松聡氏の記事。
実は高松氏のお名前は全く聞いたことがなく、今回調べものをしてはじめて知った次第です。
※トップ画像は文中で紹介した公式動画のワンシーンをキャプチャしたものです。