アンジュルムは誰のものか

『太田遥香の今後に関するお知らせ』が発表された。

もはや何も言うことはないのだがここまで書いておいてそのまま終わるのはどうかと思い、悔しさ、怒り、悲しみ、後悔、他にも言葉で言い表せないような感情の中、気力を振り絞ってこの際今のうちに言っておいたほうがよいことを残しておく。

はーちゃんが帰ってくることが時間が経てば経つほど難しくなるのは、最初からわかっていたことだ。だからこそこの謹慎処分はすべきではなかったし、どう転がってもアンジュルムをダメにすることにしかならないと思っていた。
発表された文にはいちおう事務所の監督が不行き届きだったみたいなことを書いていてそれを評価する向きもあるが、そうは思わない。取りようによっては改めて原因は自分たちでなくはーちゃんだったと言ってるようなものだし、何より本当にそのことを反省していたなら、つばきファクトリーの小片リサさんは同じように謹慎処分などにはなってないはずだからだ。

アンジュルムを辞め今後ハロプロに戻ってくることを前提に活動していくという結果を(少なくとも現時点ではーちゃんは『ハロプロメンバー』ではない)、事務所の温情だとか言って評価するハロプロヲタクがいるがどこまでノーテンキなのか。
ハロプロという組織を守ることだけに加担して、肝心のメンバーには何の愛情も義理も情けも持っていないような連中だ。または物事を俯瞰して彼女たちをチェスの駒を動かすようにおもちゃにして、何の価値もない正論ぶった軽口を投げ合って話題を消費してるだけの連中だ。
それが証拠にたった数日で彼らの中ではもうすでにこのことは過去のこととなり、関心は「さあ代わりの新メンバーは誰かな?」みたいなことになっている。どこまで浅ましい連中なのか。この人達を心の底から軽蔑する。


言うまでもなくこれはハッピーエンドではない。何一つ問題は解決していないのに『色々あったけどこれからはーちゃんもアンジュルムもお互い頑張っていこう』みたいな単純な話に落とし込めるものでもない。
この結果に至ってもハロプロに今いる彼女たちは今後も誰かの勝手な都合で自分たちの居場所を一瞬にして失ってしまいかねないことには何も変わりがない。彼女たちの誰かが明日はーちゃんや小片さんみたいな目に遭わない保証はない。
ただ一度の失敗も弱みを見せることも許されず、簡単に居場所を追われるということを何とも思わない人達が周りを取り囲んでいる。組織のために人への思いやりも情けも捨ててしまった人たちとそれを疑問にも思わないヲタクたちだ。
誰も助けてくれる人はいない。何があっても守られるべきは彼女たちだと信じ、そんな非情なことはさせないと思っていたファンは何も、出来なかった。

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たしかなこと

結局はーちゃんを救えた可能性は、メンバー自身がアンジュルムに帰ってきて欲しいと言うことくらいしかなかった。言えば少しは結果は変わっていたかもしれないがそうはならなかった。
メンバーはこの間公には何も言わなかったし、ずっとはーちゃんは存在しないことになっていた。結果がこうなっても結論としてはこれからの私たちを見てくださいというようなことしかブログには書かなかった。

メンバーを責めようというのではない。

メンバーが何も言わなかったのは、そもそも何の制限もなしに自分の考えや思いを自由に発言出来る手段を彼女たちは何も持っていなかったからだ。
せいぜいそれが出来そうなのは小さなライブハウスでのMCくらいだろうか。しかしこのコロナ禍では単独ライブをすることもままならず、他のグループのいるハロコンではそれも難しかった。

この間メンバーは自分のグループであるアンジュルムに関する重大な出来事があったのにもかかわらず、何一つ自分の意見を挟むことも出来ずにただ見送ることしか出来なかった。

では一体アンジュルムは誰のものなのか。

自分の言葉で何も言わなくて済むということは、一見守られているようでいて自分の明日や人生すら誰かに全て委ねてしまうことだし、自分達のいるアンジュルムというグループの行く先がどうなろうとも何も出来ないし、それにかかわる権利を捨てているのと同じことだ。

このグループがメンバー自身のものでないなら、このグループをめぐって人に迷惑をかけ人を傷つけたこと、さまざまないざこざは一体何のためだったのか。それで何が守られたのか。

あなた達のいる場所を土足で踏みにじり好き勝手する連中に簡単に明け渡したりしないで欲しい。あなた達がいる場所を少しでも良くしようとすることはあなた達にしか出来ないということに気づいて欲しい。

無垢であっては悪意のある者に簡単に足元をすくわれ、無知であっては浅はかな連中に都合よく利用され、たしかにあったみんなが大切にした場所は無茶苦茶にされてしまう。

間違いなくあなた達のいる場所はあなた達のものだ。アンジュルムとはあなた達だ。

せめてこのことをもう終わった過去のこととせずに、あなた達にとって本当に大切なことは何か、本当に守らなければならないものは何かをこれからも考え続けて欲しい。安易に日々に流されて忘れてしまうことなく。
愛を持って人の心に寄り添ってあげられる素敵な大人になれますように、あなた達が幸せに今を生きていけるように心から願っています。


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