アンジュルムを形作るもの

ここまでの話の中であえて触れていないのははーちゃんと他のメンバーの関係、またはアンジュルム内の人間関係のことだ。

なぜ触れていないかと言えばアンジュルムファンとしては彼女たちの個人的な心情や言動の部分まで立ち入ることはよしとせず、アイドル本人の自主性を大切にするために余計な事は決して口出しするまいと心掛けてきたからだ。

しかし9月になっても復帰のアナウンスがなく、はーちゃんにとってもアンジュルムにとっても状況は悪くなるばかりだ。インタビューを読んでも「メンバーの言うその『アンジュルム』にはーちゃんは含まれているの?」と言う疑問ばかりが気になって内容はまるで入ってこない。

はーちゃんが少しでも帰って来やすい環境にするためにも、あえてメンバーの関係性にも少しだけ踏み込んで書く。

※※※

今回のことでこう思ってるファンが少なからずいる。

「アンジュルムって本当は仲悪かったんだ」
「はーちゃんは問題児だったから謹慎させられたんだ」

活動休止時のブログで他のメンバーがはーちゃんに対して苦言を呈したことによって、これまでのアンジュルムの持っていた、賑やかさとか年齢や経験も超える仲の良さについて疑問を持つようになった人たちが出てきた。

もしそう思ってる人がいたらちょっと待ってほしい。

確かに、
はーちゃんが活動休止した時書かれた他のメンバーのブログは極めて冷淡で、はーちゃんに今まで何回も注意してきたが守られなかったと書かれていた(ただし何について注意していたかは書かれていない)。
しかし、
このブログは明らかに事務所の手が入った文章で純粋にメンバーの言葉としてそのまま受け取るのは適当ではない。

ブログは普段からマネージャーなどに送られて内容を確認された後更新される。さらに今回の様な事態ではあらかじめテンプレートの様なものが用意され、内容も普段より厳しくチェックされると言われている。

この時のブログもメンバーによって多少言い回しが違うだけで内容は基本的に同じだった。更新が遅かった桃奈や莉佳子のブログは概ねテンプレートに沿っているもののだいぶ自分の言葉が盛り込まれていて印象がやや異なる。更新が遅かったのは恐らくはーちゃんに対して個人的な思いを書いた部分がなかなかチェックを通らず、何度も書き直したのではと想像する。
いずれにせよどのメンバーのブログにもはーちゃんの復帰を期待する文言は出てこない。これがメンバーがはーちゃんに対して冷淡であると我々が感じた一番の理由だ。
これ以降メンバーがはーちゃんについて語った事はほぼ無いので、今もこのブログの印象を引きずっている人がいるのは仕方がないだろう。

こんな状態になったのは、本来メンバーの言葉で綴られるべきブログに検閲まがいのことをして介入し、この後もメンバーに自由に語らせようとしない事務所のせいであるということをまず理解すべきだ。

アンジュルムの仲の良さとは?

言っておきたいのは、アンジュルムは年齢も経験も加入時期も違うメンバーが集まっているグループで、最初から仲良しなグループとして勝手に出来上がったわけではないということだ。
あの仲の良さと絆の深さは、メンバーが入れ替わるたびに色々なことが起こり時には衝突もしても、お互いを尊重し理解と関係性を深めていくことで形作られてきたはずだ。
何の苦労や困難もなしに今のアンジュルムのような形が出来上がったなんて事はまずないということだ。それはアイドルグループに限らずどんな集団でもそうだろう。

グループとしての活動の中で、メンバー同士で互いに仕事や生活態度のことパフォーマンスについてなど注意したりされたりすることが普通にあったことは、今までにもメンバーによってインタビューなどで何度も語られている。はーちゃんに色々注意していたのも今までやってきた当たり前のことに過ぎない。別に今回のことだけが特別なことではないのだ。
なんでも思ったことを口に出してさらけだすのが当たり前の世の中にあって、グループの活動の裏では衝突や苦労を克服するための努力がたとえあっても、多くは語らないということを美徳としているのがアンジュルムというグループなのではないだろうか。

もし今も「メンバーがはーちゃんに冷たかった」「はーちゃんが言うこと聞かなかったからだ」と思ってる人がいたらその考えはすぐに改めて欲しい。
アンジュルムはそんな懐の狭いグループではないし、メンバーにそんな薄情な人はいない。それはあなた方もよく知っているはずだ。ひとりひとりの個性を大事にするグループが、自分とは違うからという理由でグループから排除しようなどとは考えるはずがない。自分たちがどうあるべきかもどうすべきかも知っている客観性を持ち合わせた人たちだ。

私たちもアンジュルムを形容するときの言い方を間違っていたことを反省しなければならない。プライベートでも仲がいいとか動物園みたいに賑やかだと言うのは結果的に表面的に出てくるものでしかなく、それが本当のアンジュルムの良さを言い当ててるわけではなかったのだが、今はメンバーすらも自らを紹介する時にそう言っている。一緒に遊びに行かないと賑やかにしないと『アンジュルム(のメンバー)』ではないかのようにみんな思ってしまってるからだ。

グループは常に変質する。メンバーが卒業し新しいメンバーが入ってくるアンジュルムならなおさらだ。ファンが先入観に囚われて一方的にグループの形や方向性を決めつけたりしてはいけない。ファンの理想のためにメンバーの人格を否定したり個性や自由を奪って『アンジュルム』という枠の中に押し込むことは避けなければならない。メンバーひとりひとりが個性を発揮した結果として、アンジュルムの姿が形作られていくべきだ。
それでもし今のアンジュルムの賑やかさとは違う別の方向へ離れていくことがあったとしても、アンジュルムを愛していればこそメンバーの自主性に任せてどう変化していっても受け入れる気持ちを持っていなければならない。

その上でファンのひとりとしてあえて言うなら、もしグループを守るだけのためにひとりひとりの個性や人間性まで否定されるようなことがあったとしたら、ファンとして「それは違う」とメンバーに対しても言うべき時は言う心構えは持っておきたい。
奇跡のような温かさを持つ彼女たちを見る限り、そんな日が来ることはないだろうと信じている。

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キアヌ・リーブス「人に優しくすることが弱点になる世の中なんて、僕はまっぴらゴメンだ。」

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