「夏嵐」の夜

ジェニーハイの新曲「夏嵐」が公開された。主演は金村美玖さん。

見終えてからずっと胸がドキドキしている。

まず曲(歌詞と演奏含む)がいい。ちょっとノスタルジックなメロディ。前奏の旋律だけでもう、夏の焦れた切なさが思い浮かぶ。

夏休み、
光は眩しくて景色は鮮やかで、
日常から離れて何でも出来る気がする。
なのに強気に引いたアイラインは理想と違っていて泣きそうに惨めだ。
私はここに絶対のきらきらを持っている。
でも、誰にも伝わらない。

そういう、10代の夏に感じたもどかしさが、「夏休み 心は休めない」でぐっと胸にこみ上げてくる。


そして金村さんが良い。
大人っぽい物憂さと少女っぽい元気さ、まっすぐな強気とゆれる儚さが同居している。
多分それを、若さという。
(彼女が若いから良いという意味でなく、彼女が若さを体現しているという意味で。)

ダンスも、しなやかで大きな振りとちょこちょこかわいい振りが混ざっていて、くるくる切り替わるダンスと表情に、こちらは気持ちよく振り回される。

屋上を踊る彼女を引きで撮った映像が好き。
見慣れた景色に突然現れた、小さな竜巻を見ているようで。

サロペットでアイスをかじるなんてこどもじみてる。土足で机にあがって、私服でプールに飛び込んで、これがほんとの私!なんて、制服を着て真面目に授業受けてる自分に見られたら痛々しくて恥ずかしい。
でも、
だけど、
美しいでしょ?この衝動。

最後にとぷんと水に沈んでいく若さが、そんなふうに言っている。

見終えてからずっとドキドキして、なんだかうまく眠れない。
でもそれが正しい見方だなと思う。
見たものは、夏の嵐なんだから。



衣装、素敵ですね。
あの長い肩紐。
後ろ髪惹かれる感じで回るたび余韻が美しかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?