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𓂃‬とある旅の記録 vol.1‪𓂃‬



一昨年の五月。
私は深い深い海の底、まだ潜水艦に乗っていた。

その前の十二月に潜水艦の外から
コポコポと聞こえた音がずっと気になっていて、
なんだろうと思って観察をしていた。
仲間のようなそうでないような、、。

でも、なんだかすごく感覚的には気になっていて、
五月にはコポコポとなった方へ進んでみた。

厚い厚い壁でできた潜水艦の小さい丸い窓から、
外を眺めて、どんな世界なのか少しずつ見始めた。

気づけば、陸が見えるほど、
海底から海上まで上がってきていた。

潜水艦の上のフタを開け、
頭を少し出し、双眼鏡で辺りを見渡してみる。

コポコポと聞こえたものは、
実はキラキラと輝く宝石のようなヒトだった。

ここではコポコポさんと呼ぶことにしよう。
コポコポさんは、いろんな笑顔を見せてくれる不思議な人だった。

遠くから双眼鏡で見ている私に対しても、
伝わるようになんだか楽しいことをしている。
しかもそれは一人ではないのだ。
なんだかわちゃわちゃと、何かしている。
踊っているのか?

双眼鏡でも見えないけど、
はっきりとその楽しさは伝わる。

はじめて感じる、
相手が楽しく何かをしているところ。

自分もなんだか踊りたくなってきた。

不思議だ、。
踊るのあまり好きではない私も、
なんだか元気が湧いてきて、
幸せに満ち溢れるようなダンス。

これまで他のヒトがやっていたダンス、
真似したことはあったけど、
こんなに楽しいのは初めてだった。

やったことがないことも
はじめはドキドキするけれど、
やってみたら案外楽しかったりする。

それは挑戦した人にしか分からないこと。

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それから月日が経ち、
わたしはコポコポさんと仲間になっていた。

わたしとコポコポさんは
全く似ていない。性格も違う。

ただ、旅好きであることは同じ。
そして、自分が歩く道を自分で作っていることも。

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コポコポさんとはあの時から2年経っていた。
無邪気にはしゃぐその姿は、
双眼鏡でちいちゃく見えたあの時から
全く変わっていなかった。

いつでも、自分を持っていて、
ありのままの自分を愛し、
全てのものに感謝する姿は、
無邪気さの中にも一際輝くものだった。

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実は出会ったあの時から、
コポコポさんとの
大きな旅がはじまっていた。

旅にはいろんなものが欠かせないが、
正反対のものを持ち、
互いを補い合えるパートナーも重要。

これから大海原に広がる
たくさんの可能性という宝石を
見つけ出す旅へ、

今度は潜水艦ではなく、
大きな船に乗って、
澄み渡る青空と暖かい太陽に
包まれながら進んでゆく。

わたしたちの冒険は
まだまだはじまったばかり、
これからどうなってゆくのか、

つづく。

#とある旅の記録
#フィクションのようなノンフィクション
#今ここ

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