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パジャマを着て外に出ちゃうのを贅沢に思えるタイプ

私はパジャマを着て外に出ることが2パターンある。

ここでいうパジャマとは、下にあるようなワンマイルウェアと呼ばれるような外でもおかしく見えない部屋着のことではなく、

本当に下にあるようなパジャマである。

つまり、本来外に出てはいけない格好で出ているのである。

さて、どんなときに外に出ているかというと、1つはゴミ出しである。

ゴミ出しの時

お風呂のお湯をためている最中かお風呂上がりにゴミ捨て場まで出しに行くのだが、いちいち着替えるのが面倒で着替えていない。

冬の季節のときは、エアコンの効いた暖かい部屋やお風呂の湯気に包まれた状態から一気に外の寒い空気にあたる。そのときのひんやり感が心地よい。
冷たい空気を吸い込んでみると、逆に身体のどこが暖かくなっていたかを感じることができる。冷やしたくない!と身体が感じているのだろうか、熱を持っていた部分がより暖かく思える。
寒い空間で自分の周囲だけがぬくぬくしている状況は、冷えた季節のカフェラテのカップに自分がなったような気持ちだ。

夏の季節のゴミ出しにも良さがある。

お風呂をためている最中なら、冷えた空気からぬるい空気に移ることで肌が湿る気がして、どことなくぼうっとする。虫が鳴いていると、それを聞き取ろうとして耳の意識を遠くに傾けるので、より遠くにいるようなぼーっとするような感覚を味わうことができる。
お風呂上がりなら、冬に似てほんの少しだけ冷えた空気が心地よい。

そして、パジャマについてである。
着替えるのが面倒で外に出ると書いているが、これでもパジャマで出るのは恥ずかしい気持ちは持っているので、ゴミ出しはそそくさと手早く行っている。他の住民や歩行者がいなさそうなタイミングを見計らっており、時間にすると1分もかかっていない。

しかし、短いながらも、ゴミ出しの時間は空気が一気に変わること、隠れつつやらないといけないという思いから視覚・聴覚を敏感にさせているために、どことなく秘密の隠れ家感があるというか、実感よりは長くゆったりした時間に思える。

面倒な家事ではあるのだが、五感(触覚・聴覚・視覚)が鋭くなって案外嫌いじゃない時間である。

コンビニの時

冷蔵庫に何もない、お腹が空いた、〇〇がどうしても食べたい、しかし着替えるのはヤダというときに、パジャマのままコンビニに行くことがある。
このときはさすがにパジャマ1枚というわけにはいかず、1枚上に羽織っている。

冬であれば、ロングコートだ。このときは前のボタンを全て閉じて、パジャマが見えちゃう部分をなるべく隠すようにしている。
柔らかくくたっとした素材のパジャマの上に、硬くて形がぱきっとしたコートを合わせていると、不思議な気分になる。
日中はしない洋服の組み合わせということもあるのだが、どことなくコスプレめいているというべきか、あるいは、凄まじくダサい格好をしているのが新鮮で、なおかつそれがわずかに許されている状況が面白く感じるからだと思う。

夏に関しては、自分の持ってるものが洋服用のパジャマパンツに似ているパジャマなので、冬よりもごまかしが効く。
なので、冬のようにすっぽり隠すのではなく、ガウンを着ることにしている。2つとも百貨店で買った高いやつで、1つは確かイタリアの生地、もう1つは着物のリメイクである。
夏のパジャマコンビニは、こそこそ可笑しいという感情ではなく、ゆったり優雅な気持ちになる。普通は上着を着ることが少ない夏に、良いものを羽織っているという行為が好きなのかもしれない。

普段できない格好をするがゆえに、贅沢な気持ちや特別な日の気持ちになれる時間で、結構好きである。

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以上、これに共感してくれる人なんているのかなと思いつつ書いた文章。

お金を稼ぐということが大変だということを最近実感しています。サポートいただけると幸いです。