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人間関係の「強くてニューゲーム」

「強くてニューゲーム」。ピクシブ百科事典にわかりやすい定義があったので引用しよう。

ゲーム進行途中(ほとんどの場合はクリア時点)のセーブデータの一部を引き継いで、最初からゲームをやり直すシステム。引き継ぎデータは所持金やアイテム、レベルなどがある。これによりRPGの進行がかなり楽になり、演出やシナリオにより集中することが出来る。
ピクシブ百科事典,「強くてニューゲーム」より(http://xn--dic-fb4b4g.pixiv.net/a/%E5%BC%B7%E3%81%8F%E3%81%A6%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0

あらゆる人間関係は「ニューゲーム」の連続である。
相手ごとに新しいセーブデータを作成するがごとく、相手とともに記憶を構築していく。

みんながみんな共通のデータをみにいって、それをロードしていたならそれはそれで気持ち悪い。そんな世界は『ブレードランナー』と『マトリックス』で充分だ。リアルでは求めてない。

いろんなひとと少しずつ記憶を構築して、セーブデータを充実させていくことは基本的にたのしいことだと、わたしは思う。

しかし、登場人物がめちゃくちゃ増えれば増えるほど、それぞれにニューゲームをはじめる余裕はなくなる。
いくら人間といえども、保有できるセーブデータ数は限られているし、ましてや「外付け」なんてできっこない。

それとか、相手と親密になって、セーブデータがものすごい佳境まで進んでいたとする。でもあるきっかけでそのデータを「放棄」せざるを得なくなるときがある。

そんなとき、いちいちニューゲームをはじめることにとてつもないめんどくささを覚える。

「ぜんこくずかん」が完成間近なのに「はじめから」を選ぶとか、「すべてを越えし者」が出現したのに「夢のザナルカンド」からやり直すとか、もう少しでマヨイちゃんを救い出せそうなのに1日目からやり直すなんて状況に直面したら、いまにも投げ出したくなるのと同じだ。

だからこそ、このときくらいは「強くてニューゲーム」させてほしいって思ってしまう。続きから話をさせてほしいなって。


虫の良いねがいだってわかってはいる。
だけど、ねがわせてほしい。そのたびに同じルートをたどったり、選択肢を間違えたりするのって意外と骨が折れるんだもの…。

いくつになってもウキウキルンルンで人間関係を築けるわけではないのだよ…。

たまにはいいじゃん。横着させてよ。

誰に言ってるのかって?
もちろん、運命にだよ。

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