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マタニティの色

28w1d。妊娠8ヶ月。妊娠後期に突入した。
妊娠してグッズやマタニティコーナーに行くと、なぜか毎回つらくなる。その要素の一つにわたしの場合は「色」が関係している気がする。

ベビーやマタニティグッズはペールトーンやほんわかピンクやイエローの優しい淡色の色合いのものが多い。視覚的に安らいで過ごしやすい効果があるからと推測している。

しかしわたしにとって、いちばん苦手な色だったりする。色のイメージとしての妊娠出産は「しあわせなこと」に結びつきやすい色をしている。一度流産した身ということもあり、しあわせな色を自分が身につける違和感もあるし、そもそも妊娠してからはそんな甘ったれた色じゃないんだよなという気持ちなのである。あと、そんな良いイメージの母親にならなきゃいけない気持ちになるのもある。(販売側にそんな意図などないのかもしれないけど)

自分の生育について今思えば、幼少期にほぼ虐待とも言えることを母からされてたこともあった。叩かれることは定期的にあったし、母の気分で家の外に出されたことも、押し入れに閉じ込められたことも、料理を手伝った時にピーラーで手の皮膚を剥かれそうになったことも、はさみを投げつけられたこともあった。自分はそういう育てられ方しかしていないから母のイメージとして淡色のイメージがあまりないのもある。もっと、戦闘的で過酷な色がついている。そして自分はそっちの色なんだろうなとも思う。一度ついた色はそう簡単に落ちない。

だから理想的な母親像である淡色のマタニティグッズがとても苦手なのだと最近気づいた。赤子がその色を身につける分にはかわいいと思えるんだけど、自分がそのコーナーにいくと違和感をついつい感じてしまう。そして自分がされてきたことを我が子にしてしまわないかという恐怖も日に日に感じている。最近お風呂に入るたびに産後のことを想像して不安になって泣くことが増えた。

まだ母とか、ママとかそういう呼称にも疑問を持ってしまうくらいだし。マタニティブルーかなこれ。