「難しい」という表現

 高校の頃世話になった先生の1人が、目の前の課題や問題について、よく「難しいね」と表現していたのが印象的で、それから私も「難しい」を用いるようになったと記憶している。

その後しばらく、頻繁に自分も友達の悩みに対して「それってむずいね」と言ってみたり、慣れないことに取り組んだ感想に「難しいな」という評価を抱くようになった。もはや口癖のようなものになっているのかも。

 しかし、ここでちょっとした問題に気づいた。まず私が、特にどういう時に「難しい」を用いていたか、ということについて注目してみたところ、大体、

すぐに解決策が考えつかない時
問題を先延ばしにしたい時
一先ず評価を述べる時

によく使っていた。
難しいのだから、使い方はこれで良いのでは無いか?とも思えるけれど、「難しい」のその先に中々進めなくなることが私の問題だった。何かに対して「難しい」と頭で一度ラベリングしてしまうと、そこでしばらく思考停止しがちになるのである。

友達の悩みを聞いた時なんかは特にその傾向が強い。「それってむずいね」とひとたび言ってしまえば、友達に共感したように振る舞えるからである。それと、わたしは人の話を、顔を見ているのにも関わらず聞いてなかったりして、情報をきちんと処理できていないときもあるため、聞いていなかったことをごまかすように使ってしまったこともある。ごめんね。

 人って便利な言葉があればそれを多用してしまうことがあると思います。今は「エモい」とかかなあ。そして、私の場合の「エモい」的ワードは「難しい」なんですな。
今は、とりあえずで出す「難しい」をやめて、他の適切な表現を使っていくことと、問題を「難しい」としたしても、その先をきちんと考えるということを念頭に置きながら、確実に言葉と歩いていきたいと思っています。

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