2020/04/03

 一緒に直線を走っていた私たちは、もうそれぞれに生き始めているんだって。オンラインの時間もずれていき、これから、私たちが出会うところは、次は交差点だという。午後5時、誰かの泣く声、夕日を背負って縁石の上を歩いた。いつも軽口を叩きあっていた。その口は気を遣って静かになり、やがて指だけで会話するようになった。春は出会いの季節なんて嘘。この瞬間、私たちが離れていることがその証拠。

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